![紛失による再処方は自費](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_t-1024x538.jpg)
紛失による再処方
医療事務として働いていた頃、色んな問い合わせがあった。
例えば「薬の紛失」とかもそうだ。
![くすり](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_kusuri.jpg)
ある日、定期で通っている患者さんから電話がかかってきた。
その内容は「内科で30日分の処方せんを受け取り、薬局で薬を買ったけど帰りに紛失してしまった」というもの。
薬局に頼んだら「病院と相談してくれ」と言われたそうだ。
![調剤薬局](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_yakkyoku.jpg)
このような場合、私の居た病院では「自費なら処方せんの再発行ができます。薬局でのお薬購入も自費になります」と対応していた。
最初の診察(紛失前)は当然健康保険が使える。もし病院+薬局の総額が10,000円なら3割負担の3,000円で済む。
![通常は3割負担](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_tuujyou.png)
しかし紛失後の再処方は別だ。
過失による(本来必要のない)二度目の診察や処方の費用については、健康保険を使うことができないので全額自費になる。
検査等はやり直さないので一度目より金額は下がるはずだけど、自費には消費税がかかるので高くなる可能性もゼロではない。
![紛失時は10割負担](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_hunshitsu.png)
病院側は処方せんぐらい簡単に再発行できるので無料で渡せなくもないが、薬局側は原価があるので自費は譲れないだろう。
ほとんどの人はきちんと説明すると納得してくれるのだが、中には「ふざけるな!」と激高する人もいてなかなか苦労した。
普段は1割負担の高齢者が、10倍払いと言われて怒りたくなる気持ちは理解できる。
![激高する人](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_okoru.jpg)
しかしこのような過失にまで健康保険を適用していたら、薬の紛失が絶えないし、財政が悪化して保険料が高くなってしまう。
なので自費というのは妥当な措置だ。
ちなみに処方せんの紙をなくしただけなら、病院によっては無料で再発行してくれるし、薬局でも当然健康保険が利用できる。
![処方せん](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_syohousen.jpg)
保険がきかない医療行為
薬の紛失とは違うが、保険がきかない診察や検査は身近にもある。
その最たるは「健康診断」だ。
私の居た病院だと一般的なセット(身長・体重・視力・聴力・尿・血液・胸部X線・心電図等)で大体1万~1万五千円だった。
![健康診断](https://totanrpt.com/wp-content/uploads/2023/05/life_saisyohou_kenshin.jpg)
通常なら健康保険が使える採血やレントゲン検査も、就職先に提出するといった理由で受ける健康診断では全額自費(10割)になる。
ただ1つ言いたいのは、薬の紛失も含めて「高額になるのは自費だからで、医療機関が暴利をむさぼっている訳ではない」ということだ。
保険が利かない分本人負担が多いが、算定金額は保険適用時とほぼ変わらない。(ただし健康診断には消費税がかかる)
受付の事務員に怒鳴られてもどうしようもできないので、どうか寛大な心で理解してあげて下さい。