【暮らし】就職時に受ける健康診断の検査項目と注意事項について

雇い入れ時健康診断

就職時の健康診断

企業が正社員を雇う場合、入社時と年1回の健康診断を受けさせることが「労働安全衛生法」で義務付けられている。

新卒入社

パートの場合でも「短期雇用ではなく、正社員の3/4以上の労働時間」といった契約条件なら入社時の健康診断は必須だ。

パート雇用

4月に一斉入社する新卒社員であれば、入社後のオリエンテーションに健康診断が組み込まれていることはままあるだろう。

一方、中途採用だと入社日までに近くの病院で受けるよう指示されることもある。

健康診断の指示

雇入時の健診項目

入社時に受けさせるべき健康診断項目は「労働安全衛生規則」に記載されている。

石綿業務・深夜労働、海外渡航のような特殊な要素のない、一般的なサラリーマンであれば大体下記の検査で事足りる。

項目詳細
[1] 身体計測身長
体重
腹囲
[2] 血圧最高血圧
最低血圧
[3] 尿検査
タンパク
[4] 血液検査貧血
肝機能
脂質
血糖
[5] 聴力
[6] 視力
[7] レントゲン胸部
[8] 心電図12誘導
[9] 医師の問診既往歴
自覚症状
就労可否

内科のある病院ならほぼ受けられるはずだ。

一応電話で「健康診断はできますか?」「結果はいつ受け取れますか?」「料金はどれぐらいですか?」などは聞いておこう。

病院に問い合わせ

総合病院での受診の流れ

参考として、私の古巣病院を例に紹介。

まず受付で問診票を記入する。

健康診断は保険が効かないので保険証は必須ではないけど、本人確認の為に求められることもあるので念のため持参しよう。

受付

受付後、検尿カップ(紙コップ)を受け取りトイレで自己採尿する。

尿検査

尿を提出後は処置室で身体測定。

身長・体重・腹囲・血圧・そして看護師に採血をしてもらって終わり。

ちなみに採血ありの健康診断では、朝食による影響(血糖値の上昇等)を防ぐため検査12時間前からは絶食というのが基本だ。

健康診断が朝9時開始なら、前日の夕食後21時以降は水やお茶だけにしよう。

身長・体重・腹囲・血圧・血液検査

次はオージオ室(一人カラオケみたいな狭い防音室)でヘッドホンをつけて聴力検査。音が聞こえる間ボタンを押すだけ。

視力検査は眼科で行う。裸眼と矯正視力を測るので眼鏡やコンタクトがある人は必ず持参しよう。

聴力・視力

次は胸部レントゲンと12誘導心電図。

レントゲンは無地の肌着なら着たままでも撮影できるが、女性は金具等のある下着は外して検査着で撮影する可能性が高い。

心電図は手首・足首にわっかをはめ、胸元にも医師の聴診器みたいな小物をいくつか貼る。(痛みは全くない)

肌に密着させて計測するので、心電図のある日は脱ぎにくいインナーや足首を覆うストッキングを履いていかないよう注意。

レントゲン・心電図

最後は診察室で医師問診。

体調、既往歴、喫煙、飲酒等々。

医師の診察

混んでいなければトータルで2時間もかからないはずだ。

健康診断の費用と受け取り日数

健康診断は自費なので病院ごとに自由に金額を決められるが、上記検査項目だと10000~15000円が相場だと思う。

良心的な会社なら健診費用を入社後に支給してくれるが、法律で定められている訳ではないので払ってくれない会社もある。

なお注意すべきは受け取り時期。

健康診断書は既定のフォーマットに結果を書き込んで、最後に医師が「就労可」のように署名するシンプルなものだ。

会社指定の様式があるならそこに書き込むし、特に指定がないなら病院にある白紙フォーマットを元に仕上げていく。

健康診断書の作成

ただ、血液検査や胸部レントゲンの読影(画像精査)を外注している病院だと健診日当日にはまず受け取れない。

検査結果待ちや医師出勤日の兼ね合いで1週間近くかかることも考えられる。

健康診断書の完成まで

なので「8月1日入社だからその前の週に受ければ十分間に合うだろう」と油断せず、前もって病院に確認しておこう。

ちなみに結果は後日渡しだけど、料金は当日払いのことが多いので現金やカード(これも使えるか事前確認)を忘れずに。

その他の注意事項

お堅い職業の人でたまにあるのが「健康診断は公的医療機関で受けること」と指定されているのに民間病院で受けてしまうケースだ。

後から返金はできないので注意。

公的医療機関

あと、一般的ではない検査項目がある場合も必ず確認した方が良い。

例えば小型船舶免許取得に必要な健康診断書の「色覚」「身体機能」とかだ。

小型船舶免許

当日になって「やっぱりうちの病院では無理です」となると両者困るので、気になる点は事前に問い合わせるようにしよう。

何事も、念には念を入れてだ。