40歳で強制加入の介護保険
社会人になると様々なイベントが発生するが、そのほとんどは学校では教わらない。
必要な時期までに自分で調べるか、有識者に頼るか、知らずに困るかの三択だ。
例えば、サラリーマンになると健康保険料が天引きされる。
健康保険料を払うことで健康保険証が交付され、医療費が3割負担になる。
この辺は大体の人が理解しているだろう。
しかし、これが介護保険になるとちんぷんかんぷんという人はいるはずだ。
介護保険も強制加入で、40歳になると保険料が天引きされるようになる。
ただ40歳から64歳までは介護保険料を払っても、健康保険のような恩恵はない。
そもそも保険証自体が発行されない。
下記16項目の特定疾病（病気）で介護が必要というケースを除けば、40歳からの25年間は保険料を納めるだけの期間だ。
65歳以上の介護保険
65歳以上になると、特定疾病を患っていなくても、介護が必要な状態であれば介護保険を利用できる。
その前に医療と介護の違いを整理しよう。
医療が「病気の治療」なのに対し、介護は「一人で日常生活ができなくなった人の支援」だ。
なお、65歳以上になっても介護保険証は健康保険証と違って自動的には発行されない。
自分から申請する必要がある。
申請先は最寄りの役所だ。
審査には「担当者による聞き取り調査」「主治医の意見書」が用いられる。
主治医意見書はかかりつけの病院で「診断名」「心身の状態」「必要な介護サービス」などを規定様式で書いてもらう。
もろもろの資料を使って審査が行われ、介護度が決定し、介護保険証が発行される。
介護度は8段階あり、高いほど日常生活が困難なため手厚いサービスが受けられる。
と言っても、素人ではどんな介護サービスがどのぐらい使えるのかは分からない。
そこでケアマネジャーに協力をお願いする。
ケアマネジャーは居宅介護支援事業所等で働いており、その人の1週間の介護サービスの利用プランを立ててくれる。
さて介護保険証に記載されている介護度だが、時間が経てば健康状態も変化する。
なので介護保険証には運転免許証のような有効期限があり、定期的に更新審査を受ける必要がある。
初回は半年後、それ以外は原則1年更新だ。
更新によって介護度が上がることもあるし、下がることもある。
ちなみに介護保険を使ってもサービスが無料になることはなく、健康保険と同様に1～3割（収入による）の負担は必要だ。
介護保険をざっくり説明するとこんな感じ。
何となく全体像が掴めただろうか？
いずれは介護が必要になる
介護保険料を払うのは40歳からだし、サービスを利用するのは65歳以降なので、今は知らなくて良いと思う人も多いだろう。
しかしその年齢になる前に、親や兄弟が要介護者になる可能性はゼロではない。
余裕があるうちに介護保険やその周辺の知識を仕入れて、いざその時がきても慌てず対応できるよう備えておこう。
