【漫画】2024年完結漫画のおすすめ作品

2024年完結漫画

2024年完結漫画

前回記事では2024年1月~12月に1巻が発売されたばかりのおすすめ新作漫画を紹介した。

せっかくなので2024年の完結漫画からもおすすめを紹介したいと思う。

なお、呪術廻戦/僕のヒーローアカデミア/【推しの子】の3作品はニュースやSNSで話題になったのでここでは除外する。

それでは改めて、2024年完結漫画のおすすめ10作品をご紹介。

[1] 六人の嘘つきな大学生【プラス1】
六人の嘘つきな大学生【プラス1】
KADOKAWA Webサイトより画像引用

初任給50万円の人気SNS企業の新卒採用で、5000人以上の応募者から男女6名の大学生が残った。

最終選考は6人で行うグループディスカッション。出来によっては全員内定もあり得る。6人は交流を深め準備万端で臨むつもりだった。

ところが突然のメール連絡。「今年度の内定枠は一つにします。議論で選出された一名に内定を出します」

ギクシャクして迎えた当日、選考部屋の隅っこに封筒が置かれていた。中身は6人の秘密の告発だった。

[1巻発売] 2022年12月2日
(最終3巻は2024年11月9日発売)

感想

絵がすっきりしていて話も理解しやすい。ミステリー的なトリックはないけど犯人が誰でどういう結末で3巻で締めるのか予想しながら読むと面白い。2024年11月には浜辺美波さん等で映画化されているので実写が良い人はそちらもどうぞ。

[2] 信長のシェフ
信長のシェフ
芳文社 Webサイトより画像引用

1568年、京都。

そこに記憶の無い男が居た。自分が何者かは分からない。ただ自分がこの時代の人間でないことは理解している。ケンという名前、そして料理人だったことも覚えている。

あれから数か月。居候先の鍛冶屋で料理を作り続けているうちに料理達者と評判になり、意外な男を引き寄せた。

戦国の雄、織田信長。

信長に連れて行かれ、織田の料理頭と命懸けの料理勝負をさせられることになったケン。しかし臆することなく信長を唸らせる見事な料理を作り上げる。

[1巻発売] 2013年4月4日
(最終37巻は2024年5月16日発売)

感想

織田信長を中心とした戦国時代のストーリーをなぞるのも面白いけど、兎にも角にもケンが格好良い。腕っぷしは全然だけど、料理の技術と達観した立ち振る舞いが素晴らしい。フィクションなのに史実と上手く融合させている傑作漫画。

[3] 最強魔法師の隠遁計画 -ジ・オルターネイティブ-

魔物の脅威にさらされた人類は、円形の防護壁の内側に7つの国を築いた。

魔物に唯一対抗できるのは「魔法師」と呼ばれる能力者たち。

主人公・アルスは10万人以上いる魔法師の中でも第一位の実力者だったが、幼い頃から戦場に駆り出されていたため他者への関心が希薄だった。

軍の規定は満たしたと退役を求めるアルスに、総督は「長期休暇」「研究設備の提供」という譲歩案を提示する。条件を受け入れたアルスはなぜか魔法学院の学生にされてしまった。

[1巻発売] 2021年2月5日
(最終10巻は2024年1月6日発売)

感想

2018年のコミカライズは全2巻で打ち切られたが、2021年に漫画家を刷新して再度1巻からスタートしたのがこの「最強魔法師の隠遁計画-ジ・オルターネイティブ-」だ。絵はやや粗いけどキャラの印象付けはしっかりしていると思う。

[4] 商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~
商社マンの異世界サバイバル
KADOKAWA Webサイトより画像引用

日常に疲れた圭吾(けいご)は宝くじの高額当選を機に会社を辞めて北海道に移住。ところがある日家を出るとそこには異世界が広がっていた。

ケイゴが使えるのは鑑定スキルのみ。

山の石や薬草を調合して往復3時間かかる町まで売りに行く。言葉は分からないが最低限の単語と数字さえ分かれば取引することはできる。

顔馴染みの商人から町への移住を提案されるがそれは頑なに拒否。しがらみを作りたくないが1人では生きられない現実もあり矛盾を抱えたまま今日もケイゴの1日が始まる。

[1巻発売] 2021年4月9日
(最終6巻は2024年1月9日発売)

感想

異世界人との会話がカタコトなのは異国感がある。各コマが背景含めて丁寧なのも好評価。タイトルに反して1巻から人とつるむし終盤伴侶も作るので一貫性に欠けるストーリーが残念。ただ二番煎じの異世界転生漫画よりは記憶に残る内容。

[5] 天空の城をもらったので異世界で楽しく遊びたい
天空の城をもらったので異世界で楽しく遊びたい
KADOKAWA Webサイトより画像引用

主人公は突然死した男性会社員。

原因は天使の手違い。蘇生はできないのでお詫びに何か一つ願いを叶えると言われ、子供の頃から憧れていた天空の城が欲しいと願った。

願いは聞き届けられ、異世界の上空に浮かぶ天空の城で暮らすようになった。

城内のことはロボットやAIが全てやってくれるし、快適な毎日だったがやがて人恋しくなる。

孤独に耐えられなくなった彼は、人との出会いを求めて大陸の方へと天空の城を移動させるのであった。

[1巻発売] 2019年12月26日
(最終9巻は2024年2月26日発売)

感想

天空の城という名称ではあるが、実際はロボットやドローンを搭載したハイテク要塞。普通の人間である主人公が、助さん格さんを要する黄門様のように天空の城の力で困っている人間や獣人を助けていく一風変わった転生ファンタジー。

[6] 聖女の姉ですが、なぜか魅惑の公爵様に仕えることになりました
聖女の姉ですが、なぜか魅惑の公爵様に仕えることになりました
講談社 Webサイトより画像引用

貧乏男爵家の娘フローリアは、聖女に選ばれた妹レナータの侍女として王宮に同行することになった。

しかし内気だったレナータは聖女になった途端態度が豹変。側室の子として肩身の狭い思いをしてきたと実家を罵り、特に姉が嫌いだったと怒りをぶつける。

状況を察した兄はフローリアを王都から逃がし、公爵家のメイドとして働けるよう手を回した。

メイド奉公する公爵は女性を魅了する特異体質。しかしフローリアには効かなかったため “仮” 側仕えとして「恋をしない」ことを条件に雇用される。

[1巻発売] 2023年3月30日
(最終5巻は2024年10月30日発売)

感想

展開としてはよくある聖女モノだけど「デスノート」のような白黒トーンが独特の世界観を創り出している。ただこの絵柄が読み辛さの要因にもなっている。5巻で完結しているが打ち切りではなく物語としてはまとまっている印象。

[7] 王様の仕立て屋 ~下町テーラー~
王様の仕立て屋 ~下町テーラー~
集英社 Webサイトより画像引用

織部悠(おりべゆう)はナポリの伝説的職人マリオ親方から服飾技術を受け継いだ日本人男性。

長年ナポリで仕立て屋をしていたが、日本で技術を教わった針生(はりゅう)親方が入院したため店番を引き受ける。

イタリアほどスーツ文化がない日本でも、悠の仕立てたスーツは客の人生に大きな影響を与えていく。

[1巻発売] 2018年12月19日
(最終19巻は2024年8月19日発売)

感想

「王様の仕立て屋」の日本滞在編。「サルト・フィニート(1部)」「サルトリア・ナポレターナ(2部)」に比べると登場人物に魅力がない。悠の魅力と短話構成の読みやすさは健在なので原作好きなら及第点だけど「下町テーラー(4部)」から入る読者は厳しいかも。

[8] もういっぽん
もういっぽん
秋田書店 Webサイトより画像引用

中学3年生の未知(みち)と早苗(さなえ)は2人しかいない弱小柔道部部員。最後の試合も負けて引退した。

翌年進学した2人だったが高校に柔道部がない。最低でも部員3人いないと活動できない。そこに現れたのは未知が中学最終試合で敗れた永遠(とわ)だった。

さらに剣道部の「神童」南雲(なぐも)も絡んできて一本を目指す未知の挑戦が再び始まる。

[1巻発売] 2019年2月8日
(最終30巻は2024年8月7日発売)

感想

「咲 -Saki-」のような女の子だけの部活物語。未知は柔道強者ではないけど南雲を含めて部員全員のキャラが良い。色んなアングルがあり飽きさせない画力も素晴らしい。試合の勝ち負けじゃないところで魅せられるのがこの作品の強みだと思う。

[9] トモダチゲーム
トモダチゲーム
講談社 Webサイトより画像引用

高校2年生の友達5人。

貧乏だけど友達思いな友一(ゆういち) 秀才メガネの天智(てんじ) 家が金持ちなチャラ男の誠(まこと) 警官の娘で真面目な志法(しほ) 胸の大きなおっとり女子ゆとり。

ある日5人は拉致され、自分達のうちの誰かが大金を懸けた「トモダチゲーム」にエントリーしたため一人400万円の借金を背負った状態だと告げられる。

誰が何の目的でエントリーしたかは分からないが、この5人なら大丈夫だろうと受け入れる面々。しかしこのトモダチゲームがとんでもない闇を暴き出す。

[1巻発売] 2014年4月9日
(最終26巻は2024年10月8日発売)

感想

10年以上続いたデスゲーム漫画「トモダチゲーム」が遂に完結。終盤は色々破綻しているけど中盤まではかなり面白い。2022年のアニメ1期の出来が良かったので是非2期を作ってアニメも完結させて欲しい。

[10] ザシス
ザシス
集英社 Webサイトより画像引用

教師の山内(24歳男性)はニュースで中学の同級生の鈴木が何者かに殺害されたことを知る。

その少し前、山内の恋人の珠緒(小説編集者)の職場に「ザシス」という応募小説が届いた。イジメられた男子による復讐物語で選考としてはボツだったが。

改めて「ザシス」を読み返した珠緒は、鈴木という名前も殺害手口もニュースと全く同じ内容であることに気付き慌てて恋人の山内に連絡する。

「ザシス」は山内の元クラスメートでイジメ被害者だった男子生徒がストーリー通りに殺人を行うという犯行予告なのだろうか? それともー

[1巻発売] 2023年4月18日
(最終3巻は2024年5月17日発売)

感想

「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」の森田まさのり先生が描くイジメ復讐劇。残酷なシーンが随所に出てくるので苦手な人は閲覧注意。内容的には割とオーソドックスなので2時間のサスペンスホラー映画を見るような感覚で手に取ると丁度良い。

その他の完結作品

「カードキャプターさくら クリアカード編」

90年代にアニメが大ヒットした「カードキャプターさくら」の続編。小学生の桜が中学生になり新たなカードをめぐる話。

2018年にはNHK BSでアニメ化されたが全盛期のように話題に上ることなく終了。

「極めた錬金術に、不可能はない。 ~万能スキルで異世界無双~」

異世界転生のヒットメーカー進行諸島氏が原作ということで期待したものの、回が進むと線画が荒く背景も手抜きになった。

予想通り3巻で打ち切りエンド。

「左手のための二重奏」

不良男子と天才ピアニスト少女が事故に巻き込まれ、少女は死亡したが不良男子の左手に魂が宿り会話や手を動かしたりする。

題材は良いけどキャラと熱血展開は好みが分かれるところ。

個人的には「ヒカルの碁」の佐為のネット碁よろしく、動画サイトに顔隠して投稿して「あの子は誰!?」の展開の方が好み。

上記以外にも2024年完結漫画は沢山あった。

例を挙げるとこんな感じ。

  • 賭ケグルイ双 [全15巻]
  • からかい上手の高木さん [全23巻]
  • 紅殻のパンドラ [全26巻]
  • 自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? [全10巻]
  • 将国のアルタイル [全27巻]
  • 戦闘員、派遣します! [全12巻]
  • ダーウィンズゲーム [全30巻]
  • 二月の勝者 ー絶対合格の教室ー [全21巻]
  • バンオウ -盤王- [全8巻]
  • マイホームヒーロー [全26巻]

異世界作品に絞ってもまだまだある。

  • 暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします [全15巻]
  • 俺だけ入れる隠しダンジョン [全12巻]
  • 剣聖の称号を持つ料理人 [全8巻]
  • 商人勇者は異世界を牛耳る! ~栽培スキルでなんでも増やしちゃいます~ [全10巻]
  • 真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました [全14巻]
  • 追放された元雑用係、規格外の技術で「最高の修繕師」と呼ばれるようになりました [全5巻]
  • Magica Technica ~現代最強剣士が征くVRMMO戦刀録~ [全4巻]
  • 元異世界転移者だった課長のおじさん、人生二度目の異世界を駆け廻る [全5巻]
  • 劣等眼の転生魔術師 [全16巻]
  • 私、能力は平均値でって言ったよね! [全5巻]

そう言えばAdoの楽曲「シカバネーゼ」が2024年1月にコミカライズされたが、これも2024年11月で完結になった。

人生を諦めた男女があの世でデスゲームに巻き込まれるという設定はともかく、グロ戦法が多すぎたのは良くなかったと思う。

3巻巻末で脚本家が「最後まで描ききれず」とコメントしており打ち切りが濃厚。

ヒット作を作るのは大変だ。

いずれにしても完結まで描き切った作者の方々には敬意を表しつつ、是非次回作に向けて精を出してもらいたいと思う。