ユニークな転生漫画の1~10位
今回紹介するのはユニークな転生要素のある漫画。
戦闘チートではなく、設定やシチュエーションが素晴らしいものを選んでみた。
選考基準は私の好みであり、作品の優劣を示すものではありません。
第1位「ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」
ティアムーン帝国の皇女ミーア姫(20歳)は、わがままな振る舞いで周囲を苦しめた結果、革命軍の手により投獄され、最後はギロチン台で処刑された。
しかしまだ意識がある。それに体が縮んでいる。どうやら数年前の自分にタイムリープしたらしい。
目の前にはかつてクビにしてやった料理長と、大嫌いだったシチューにパン。それらを口に運ぶと思わず涙が。シチューとは、パンとは、こんなにも美味しいものだったのか。
投獄生活と死刑を経て、過去を顧みたわがまま王女が、今度は殺されないようにとビクビク生きる勘違いコメディ。
[単行本] 1 – 8巻
(最新8巻は2024年5月15日発売)
感想
アンジャッシュのすれ違いコントや、オーバーロード(アインズ)の知ったかぶりを彷彿とさせるような展開にクスっとなる。若返っても善人になった訳ではないが、どうにか処刑ルートを回避しようと取った行動が、思いもよらぬ結果を招いていくのが面白い。
第2位「パリピ孔明」
三国志の天才軍師・諸葛孔明。
西暦234年、五丈原の陣中で「次の人生は命のやり取りなどない、平和な世界に生まれ変わりたいものだ」と思い残して死亡した孔明。
そんな彼がハローウィン真っただ中の現代日本に転生。酒を飲まされ、クラブに連れられ、道で酔いつぶれていたところをクラブの女性歌手に拾われる。
スマホの使い方を教わり、蜀の滅亡を知り、感傷に浸る孔明。
しかし立ち直った彼は、現代に適応し、かつての知略を応用して女性歌手のプロデュース役を買って出る。
[単行本] 1 – 19巻
(最新19巻は2024年11月6日発売)
感想
「ヒカルの碁」の佐為とは違って万人に姿が見える孔明。石兵八陣(陸遜が閉じ込められて焦った罠)を応用してクラブのお客さんが帰らないよう店内に閉じ込めるなど、ところどころに三国志ネタを放り込んでくるのが痛快。
第3位「【推しの子】」
アイドルグループ「B小町」で不動のセンターを務める16歳の美少女アイ。
九州で産婦人科医をしている男性ゴローはアイの大ファン。きっかけは昔診ていた患者(女の子)がアイ推しで、その患者は亡くなったがアイの存在は強く残っていた。
そんなアイが突然活動を休止し、ゴローの病院に患者として現れる。産婦人科医である自分の患者として。
検査の結果、双子を身籠っていることが判明。
だが出産日より前に、ゴローは何者かに殺され、どういう訳かアイが産む男女の双子の一人に転生した。
[単行本] 1 – 15巻
(最新15巻は2024年7月18日発売)
感想
男性産婦人科医が、推しの女性アイドルの息子に転生するというシュールな設定。2巻以降では小学生、中学生、高校生などある程度大きくなった双子が芸能界で仕事をするようになる。原作は「かぐや様は告らせたい」の赤坂アカ先生が担当。
第4位「天空の城をもらったので異世界で楽しく遊びたい」
主人公はコンビニ前で突然こと切れた男性会社員。
原因は天使の手違い。蘇生はできないのでお詫びに何か一つ願いを叶えると言われ、子供の頃から憧れていた天空の城が欲しいと願った。
願いは聞き届けられ、異世界に転生し、上空に浮かぶ天空の城での暮らしを手に入れた。
城内のことはロボットやAIが全てやってくれるし、快適な毎日ではあったが、やがて一人が寂しくなる。
孤独に耐えられなくなった彼は、人との出会いを求め、大陸の方へと天空の城を移動させるのであった。
[単行本] 1 – 9巻 <完結>
(最新9巻は2024年2月26日発売)
感想
天空の城という名称ではあるが、実際はロボットやドローンを搭載したハイテク要塞。普通の人間である主人公が、助さん格さんを要する黄門様のように、天空の城の力を使って困っている人間や獣人を助けていく一風変わった転生ファンタジー。
第5位「英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜」
農村に生まれた少年イングリスは、傭兵になり、女神に仕える神騎士になり、やがて国を築いて英雄王と讃えられ、晩年を迎えるまで国と民の為に生きてきた。
そんな英雄王が寿命で亡くなる日。女神に願いを問われ「もう一度生まれ変わり、今度は王ではなく一介の武人として生を全うしたい」と願った。
願いは聞き届けられ、英雄王は別の世界に赤子として転生した。騎士団長の家の子供。名前は前世と同じイングリス。知識もそのまま。全てが理想的だった。
性別が女の子であること以外は。
[単行本] 1 – 5巻
(最新5巻は2023年9月29日発売)
感想
方向性は「賢者の弟子を名乗る賢者」と同じ。元英雄王の強さと、女の子のかわいらしさを上手く組み合わせた転生作品。設定は面白いので、かわいさ方向に迷走することなく、冒険要素を充実させられれば傑作になると思う。
第6位「アラフォー男の異世界通販生活」
東京の仕事に疲れ、田舎にUターンしてイラスト関係の仕事をしていたフリーランスの男性・ケンイチ。
ある日、気が付くと異世界の森に転生していた。
「ステータス」と叫ぶと画面が現れる。保有スキルはアイテムボックスとシャングリ・ラの2つ。シャングリ・ラというのはこの世界の巨大通販サイトの名前だ。
どうやら異世界の通貨やアイテムを捧げると、日本円に換金され、その金額分の商品が購入できるらしい。
街に着いたケンイチは宿を取り、機械加工されたお皿やナイフ・ハンカチ・洗濯バサミなどをシャングリ・ラで仕入れ、異世界人を相手に商売を始めることにした。
[単行本] 1 – 6巻
(最新6巻は2023年4月27日発売)
感想
外国人タレントが日本製品を持って帰国すると「日本はすごい!」と家族皆でリアクションしてくれるテレビ番組があるが、そんなノリで楽しめる漫画。たまに大人のシーンもあるが洋画のお色気シーンよりも軽いので許容範囲。絵が上手くて読みやすい作品。
第7位「とんでもスキルで異世界放浪メシ」
向田剛志(むこうだつよし)27歳独身。
異世界召喚された勇者3名に巻き込まれ、おまけ枠で転生してしまった普通のサラリーマン。
召喚を行った王族に不信感を持ち、手切れ金だけもらって城の外に放逐される。
改めて自身のステータスを確認すると、ネットスーパーという奇妙な固有スキルがあった。それは元の世界の巨大スーパーEONの通販が利用できるスキルだった。
国を出る途中、護衛に雇った冒険者たちにネットスーパーを使って生姜焼きを振舞っていたら、背後からフェンリルが現れる。主人公の料理を食べたフェンリルが一言。
「お主の契約魔獣になってやる。三度の食事期待しているぞ」
[単行本] 1 – 10巻
(最新10巻は2024年2月25日発売)
感想
絵は若干粗いところがあるけどムコーダ(主人公)の料理の虜になるフェンリルや、後々増える仲間達にほっこりする。料理漫画ではあるが、料理そのものよりも、ムコーダの作った料理を美味しそうに食べる側のリアクションが楽しい作品。
第8位「はたらく魔王さま!」
地球とは別の世界「エンテ・イスラ」で魔王サタン率いる魔王軍は、勇者を筆頭とする勢力に圧倒されていた。
魔王サタンは異世界の門を開き、悪魔大元帥アルシエルを連れて現代日本へと逃げ延びた。
サタンは真奥貞夫(まおうさだお)、アルシエルは芦屋四郎(あしやしろう)を名乗り、廃れたアパートの一室を当面の活動拠点とした。
その後、すっかりフリーターの生活に適応した真奥貞夫だったが、彼らを追ってこちらに渡ってきた勇者エミリアこと遊佐恵美(ゆさえみ)とばったり遭遇し、身の回りがあわただしくなっていく。
[単行本] 1 – 23巻
(最新23巻は2024年10月25日発売)
感想
魔王なのに日本のハンバーガーショップでキリキリ働く真奥や、悪魔大元帥なのに主夫のいでたちが定着している芦屋、コールセンターにお勤めする勇者の恵美など、生活感がにじみ出ている。天使や悪魔も参戦する賑やかドタバタコメディ。バトル要素もあり。
第9位「ヤクザの大親分が幼女に生まれ変わった話」
小学2年生の女の子・神代紫(かみしろゆかり)
彼女は関東一の広域指定暴力団「皇王会」の初代会長・皇義慶(すめらぎよしのり)の生まれ変わりだった。
神代紫は前世の記憶を持っていて今生でも「皇王会」の会長を務めている。しかし小学校では頑張って普通の女の子として振舞っており流行のアニメチェックは欠かせない。
そんな幼女になっても仁義に厚い大親分が、ちょっぴり抜けた側近たちと繰り広げるゆるふわ物語。
[単行本] 1 – 4巻 <完結>
(最新4巻は2023年3月23日発売)
感想
4コマ漫画のように何も考えずに楽しめる作品。どうにか小学校の女子生徒として周囲に溶け込もうとする親分、過保護な若頭補佐、いじられ役の国光など登場人物も愉快。「ちびまる子ちゃん」ぐらいの感覚で読める短編日常コメディ。
第10位「DRAGON BALL外伝 転生したらヤムチャだった件」
男子学生が通学中に階段から転落。目を覚ますとなぜかドラゴンボールの世界でヤムチャになっていた。
時代はピラフ城を出た後の荒野。子供の悟空は寝ており、そばにはまだ若いブルマと、神龍に貰ったギャルのパンティをかぶっているウーロンの姿。
困惑する主人公ことヤムチャだが、間近で見るブルマは可愛いし、ホイポイカプセルを投げられたりで割と満足。
しかしふいに戦慄を覚える。脳裏に浮かんだのはサイヤ人編でサイバイマンに敗れたヤムチャの亡骸。
このままでは駄目だ。あの結末を回避すべく、転生ヤムチャは原作とは違うルートを進むのであった。
[単行本] 1巻のみ <完結>
(2017年11月2日発売)
感想
描いているのは鳥山先生ではなく別人だけど、原作の雰囲気を壊すことなく仕上がっている。内容としてはサイバイマン戦、ベジータ戦がメイン。1冊で完結しているので、ドラゴンボール好きには是非試し読みしてもらいたい転生漫画。
転生漫画について
転生漫画といえば異世界チートを思い浮かべがちだけど、最近はかなり多様化している。
上ではヤムチャを取り上げたけど「シティーハンター」「バキ」など既存作品でもスピンオフ的な転生作品が存在する。
ただ、当たり外れが激しいジャンルなので、レビューや試し読みで下調べしてから購入しよう。