【漫画】後宮漫画のおすすめ作品(2023年版)

後宮漫画のおすすめ作品

ファンタジー漫画のところで紹介した「薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~」が2023年内にアニメ化するらしい。

異世界転生モノが飽和状態にある中、次に流行りそうなジャンルの1つが後宮モノだ。

ちなみに後宮といっても年齢制限がかかるようなきわどいシーンはなく、月9ドラマよりもずっと健全な内容になっている。

そんな後宮漫画のうち、比較的新しめのおすすめ作品をいくつかご紹介。

[1] 皇帝陛下のお世話係 ~女官暮らしが幸せすぎて後宮から出られません~

皇后選定の儀が行われることになり、五大家から1人ずつ候補が選出された。

柳凛風(りゅうりんふぁ)もその一人。右丞相を務める野心家の父親に推されて参加を余儀なくされるが、5人の皇后候補のうち凛風だけが浮いていた。

というのも皇帝は五歳。他の大家から推薦された子たちもほぼ五歳前後。

一人だけ十七歳と不釣り合いな凛風だったが、皇后候補の4人が不安で泣き出すのを見て自分はしっかりしないとと奮起する。

[単行本] 1 – 4巻
(最新4巻は2024年1月6日発売)

感想

序盤幼女たちに混ざって十七歳の凛風が皇后選定に参加し、泣き出す子たちをなだめるシーンで「これは期待できる」と膝を打った。その後の展開も素晴らしく過去読んだ後宮漫画の中でもトップ3に入る出来だと思う。絵もストーリーも秀逸。

[2] 後宮妃の管理人
後宮妃の管理人
KADOKAWA Webサイトより画像引用

皇帝陛下の命令で執り行われた縁談。

大商会の一人娘とはいえ平民出身二十八歳の行き遅れのお相手が、なんと将来有望な皇帝付きの右丞相。おまけに物腰が柔らかい美男子ときた。

違和感を感じながらも商会の利益を考えて婚姻を受け入れる玉優蘭(ぎょくゆうらん)は、右丞相の妻として後宮にいる妃たちの美容と健康管理を任される。

なぜか夫である右丞相まで女装して現れ、後宮内の派閥争いに夫婦で挑んでいくことになる。

[単行本] 1 – 7巻
(最新7巻は2024年1月6日発売)

感想

夫が女装して出てきた時は「おや?」と思ったけど、普段の柔和さがあるからこそ時折見せる冷酷さが際立つ。特に3巻(第十六話・第十七話)のやり取りは良かった。序盤こそ説明不足でとっつきにくいけど5巻まで読んだ感想としては超良作。

[3] 後宮の錬金術妃 悪の華は黄金の恋を夢見る
後宮の錬金術妃
KADOKAWA Webサイトより画像引用

柳百蓮(りゅうびゃくれん)は大貴族の娘。

周囲からは気位の高い才女と見られていたが、実際は知的探求心が旺盛な女の子。

百蓮には異母姉妹にあたる木蘭(もくらん)という妹がいた。可憐で愛らしい少女だけど、周囲から卑しい血を引く娘と蔑まれており、百蓮も厳しい態度で接していた。

そんな2人の後宮入りが決まった。

父親からの命令と、木蘭への想いを胸に秘めながら、百蘭は後宮で華麗に立ち回る。

[単行本] 1 – 2巻 <完結>
(最新2巻は2023年7月14日発売)

感想

錬金術妃というタイトルではあるが魔法的な要素はない。銅から金を精製するようなちょっとした実験が出てくる程度。情報過多で読みにくいページもなくはないが、単純な色恋ストーリーに甘んじない展開が良い。話は2巻で綺麗にまとまっていると思う。欲を言えば主要人物の魅力をもっと引き出せていれば最高だったが今のままでも十分良作。

[4] 盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ
盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ
KADOKAWA Webサイトより画像引用

盲目の宮女・氾蓮香(はんれんか)

目は見えないけど機織りとして後宮に勤め、見事な帯をいくつも作ってきた。

ある日、ちょっとした事件の解決に貢献したということで皇帝から褒美を賜ることになる。皇帝が宮女の部屋を訪れるいわゆる「お渡り」という褒美を。

しかし夜中に部屋を訪ねてきたのが皇帝とは別人だと気付いた蓮香。それは皇帝の双子にあたる宦官だった。

后妃に誘われた蓮香は、十年以上前の初恋を理由に辞退する。もう会えないと思っていた初恋の幼馴染は意外にも……。

[単行本] 1 – 2巻
(最新2巻は2023年9月14日発売)

感想

とにかく絵が綺麗。陰影といい装飾といいどのページも丁寧に描き込まれている。皇帝(宦官ではない方)がチャラいのは若干気になるけど、盲目の理由とか幼馴染の正体とかで山場を作れればかなり面白くなると思う。

[5] 後宮も二度目なら ~白豚妃再来伝~

後宮の妃には階位がある。

たった1人しかいない皇后、その下に4人の四妃(よんひ)、その下に9人いる九嬪(きゅうひん)、さらに下級妃と続く。

珠麗(じゅれい)は十五歳の時、九嬪の一人という地位にあったが丸々と太っていたため侮蔑を込めて「白豚姫(しろぶたひ)」と呼ばれていた。

平穏に暮らしていたが何者かの陰謀で罪人に仕立てられ、足に烙印を押され追放されてしまう。それから4年間は花街や貧民窟といった厳しい環境で過ごした。

すっかり痩せてタフになった珠麗だったが、運悪く宮女の大量補充(通称・女官狩り)に巻き込まれる。「罪人・白豚妃」であることは隠し、再び後宮で働くことになった。

[単行本] 1 – 2巻
(最新2巻は2023年4月7日発売)

感想

4年後は珠珠(じゅじゅ)という別名を名乗り、かつての知人たちに「白豚妃」だとバレる前にわざとヘマして後宮を出ようとするが色々裏目に出て逆に評価される流れが良い。年月を経てものの見方が変わった珠珠と、後宮を取り巻く様々な人間関係に期待したい。

[6] 煌宮~偽りの煌妃、後宮に入っても大人しくはしません~
煌宮
秋田書店Webサイトより画像引用

国王の死をきっかけに後宮の一新が決まり、新しい宮女の募集が行われることになった。

出世を望む役人は美しい娘を送り込むことに躍起になり、ここ田舎町でも美人姉妹の姉の方に白羽の矢が立つ。しかし姉には既に将来を約束した伴侶がいた。

妹の蕉彗蓮(しょうすいれん)はまだ十五歳で老師に武術を習うおてんばだったが、姉に赤紙が届いたことを知り身代わりを買って出る。

貴族社会とは無縁だった彗蓮は、かくして後宮という特殊な環境に戸惑いつつも妃候補としての暮らしを開始した。

[単行本] 1 – 3巻
(最新4巻は2024年5月16日発売)

感想

表紙はきらびやかだけど中身は割とオーソドックス。最初の数話はよくあるストーリーなんだけど、1話で出てきた義賊「銀(しろがね)」や彗蓮の武術、これから出てくるキャラ達を上手く活かせれば良作の芽は十分ある。ただ現時点では可もなく不可もなくといった印象。

[7] 女王の化粧師

とある小国、デルリゲイリアでの話。

この国では国王と王位継承者を立て続けに失い、貴族から選出された娘5人のうち1人を次期女王にすることになった。

そのような情勢の中、主人公ダイはいつも通り花街で化粧師の仕事をしていたが、貴族の青年から「女王候補の1人の化粧職人になって欲しい」と依頼される。

謎の青年、癇癪持ちのお嬢様、決して友好的ではない使用人たちに囲まれながらダイの化粧師としての仕事が始まる。

[単行本] 1 – 5巻 <完結>
(最新5巻は2023年6月7日発売)

感想

冒頭は「薬屋のひとりごと」の二番煎じだけどその後は十二分に面白い。絵は丁寧だし、伏線がありそうな主要キャラの言動もちらほらある。欲を言えば化粧後の絵はもっと説得力を持たせるような変化が付いていればなお良かった。

後宮漫画の魅力

後宮漫画もピンキリだけど、個人的にはこだわりの強い作品が好きだ。

人物だけではなく背景・小物まで丁寧に描かれているものや、後宮のルールなんかをきちんと作り込んでいるものは特に良い。

どちらかというと少女漫画は苦手な私だけど「薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~」を始め面白いものは面白い。

この手のジャンルは実写化と相性良さそう。

主人公に橋本環奈さん、妃に長澤まさみさん、皇帝に山﨑賢人さんや菅田将暉さんとか「キングダム」っぽく固めてみたり。

ただ、予算や事務所の忖度を考えるとTVドラマや邦画は無理っぽいのでNetflix制作が落としどころなんだろうけど。

Netflixも回収の目処があるから制作費を出すんだろうし、日本のエンタメ業界もその気になればできるはずなんだけどなぁ。