学校・文化部漫画の1~10位
今回紹介するのは学校・文化部の漫画。
学生生活や文化部・青春(恋愛)などを中心に絞り込んでみた。
選考基準は私の好みであり、作品の優劣を示すものではありません。
第1位「ヒカルの碁」
屋根裏部屋で古びた碁盤を手に取った進藤ヒカル(小6男子)は、着物姿の幽霊を見て気絶する。
それからというもの、ヒカルにだけその幽霊の姿が見え、声が聞こえている。
幽霊の名前は藤原佐為(ふじわらのさい)で平安時代の天才棋士。江戸時代にも本因坊秀策(ほんいぼうしゅうさく)という人間に憑依して囲碁を打ったことがあると言う。
碁石など持ったことがないヒカルだったが、佐為に言われるがまま碁を打つうちに、棋士の高みを目指すようになる。
[単行本] 1 – 23巻 <完結>
(最新23巻は2003年9月9日発売)
(文庫版は全12巻)
感想
小学生編ではライバルと出会い、中学生編で囲碁部に入り、その後院生やプロでの活躍が描かれている。前半はヒカルの子供っぽさが目立つが、後半に向けた布石だと分かれば納得。知識ゼロでも楽しめる万人向けの囲碁漫画。
第2位「ようこそ実力至上主義の教室へ」
主人公・綾小路清隆(あやのこうじきよたか)
この春から、とある名門高校に入ることになった男子高校生。無気力で無表情。実力を示すA~Dの教室分けでは、最下位のDクラスに配属されてしまう。
一風変わったこの学校では、全生徒が寮生活で、毎月学校から支給されるポイントを使って生活する。
初月は全生徒に10万ポイント(10万円)が支給されたが、翌月Dクラスに支給されたのは0ポイントだった。
遅刻・欠席・私語。クラスの成績が支給ポイントに反映されるシステムだと判明し、自由で快適だったはずの高校生活に陰りが見え始める。
[単行本] 1 – 12巻
(12巻後は2年生編として再スタート)
(最新3巻は2024年2月22日発売)
感想
成績で報酬(ポイント)が決まる学生生活という設定が面白い。基本的にはAクラスを目指す女子・堀北に協力する形で他クラスと競うストーリー。この学校の生徒は曲者揃いだけど、入試で100点取れる所をわざと50点に抑えた主人公が一番の曲者だという。
第3位「龍と苺」
主人公の藍田苺(あいだいちご)は本能のままに行動する精神的に未熟な女子中学生。
ある日、教室でイジメをしていた男子生徒を椅子で殴り倒し、指導室に入れられる。
そこでカウンセラーから将棋の才能を見出され、市民センターの将棋大会に参加。
ルールを覚えて2日目で優勝してしまうが、たまたま居合わせたプロ棋士にボロ負けし「借りを返したければプロにこい」と告げられる。
しかし気の短い苺は、唯一アマチュアがプロ棋士と真剣勝負できる「竜王戦」で勝ち上がるといういばらの道を選んだ。
[単行本] 1 – 18巻
(最新18巻は2024年11月18日発売)
感想
週刊少年サンデーで2020年から連載している作品。絵の粗さやとげとげしい言葉はあるものの、先の読めないストーリー構成が秀逸。小難しさはなく「ヒカルの碁」のような素人でもとっつきやすい将棋漫画。
第4位「食戟のソーマ」
幸平創真(ゆきひらそうま)15歳男子。
凄腕の料理人・幸平城一郎の息子として生まれ、3歳から稼業の定食屋を手伝っていた。
ところがある日、父親は海外に旅立ち、この春から高校1年生になるソーマには料理学校での修行を言い渡す。
遠月学園。そこはただの3年制料理学校ではなく、卒業まで辿り着けるのは10%未満の超難関校だった。
エリート料理人が集う遠月学園で、12年間大衆食堂で包丁をふるったソーマが食戟(しょくげき。料理勝負)を挑む。
[単行本] 1 – 36巻 <完結>
(最新36巻は2019年10月4日発売)
感想
絵が上手い。料理が美味しそう。ただしお色気シーンが多いので人には勧めにくい料理漫画。終盤はインパクト重視でストーリーが薄いように感じたが、ソーマをはじめ城一郎など魅力的なキャラが沢山いるし、絵に躍動感があるので読みやすい作品だと思う。
第5位「咲 -Saki-」
女子高生だけの麻雀漫画。
主人公・宮永咲(みやながさき)は幼少の頃、家族麻雀で勝つと怒られるという理由で意図的に点数をプラマイゼロに調整できるほどの雀力を身に付けた。
麻雀自体は好きではなかったが、清澄高校で同じ1年生の原村和(はらむらのどか)と麻雀を打つことでその楽しさに気付き、勝ちにこだわるようになる。
昨年のインターハイ王者であり、疎遠になった姉の宮永照(てる)との再会を目指して。
[単行本] 1 – 25巻
(最新25巻は2024年5月24日発売)
感想
異能ありの麻雀漫画。例えば咲ならリンシャンカイホウ(カンした時に追加で引く牌であがる)を連続で出せる。7巻の県大会決勝までのストーリーは抜群に面白いがその後はキャラが頭に入ってこないのが残念。漫画よりアニメ版の方が取っつきやすいかも。
第6位「エムxゼロ」
現代日本でも、霊山(魔法特区)に建っている私立聖凪高校では魔法が使えていた。
主人公・九澄大賀(くずみたいが)は聖凪高校を受験した1人だったが結果は不合格。面接で笑われた女子生徒に文句を言うべく生徒でもないのに学校に向かっていた。
偶然の積み重ねで校門にいた魔法教師を倒してしまい、生徒達からゴールドプレート持ちの強力な魔法使いだと誤解される。実際は魔法が一切使えない一般人なのに。
事態を収拾するため、学校側は主人公の入学を認め、ゴールドプレート持ちのフリをして過ごすさせることに決めた。
魔法の使えない特殊プレート(通称エムゼロ)と身体能力を駆使して、主人公はどこまで魔法強者を演じられるのか。
[単行本] 1 – 10巻 <完結>
(最新10巻は2008年8月4日発売)
感想
魔法有り、お色気有りの学園ラブコメ。魔法が強力過ぎないのと、主人公の立ち回りが上手いのでいい感じに物語が進んでいく。魔法学園ではあるが学生らしいノリだし、キャラ絵はギャグもシリアスもしっかり描かれているので視覚的にも楽しい。
第7位「あおざくら 防衛大学校物語」
大衆食堂の長男・近藤勇美(こんどういさみ)は高校卒業後の進路で迷っていた。
実家が裕福ではないので、進学はせずに家の手伝いをするつもりで居たが、都市開発で来年には店がなくなることが判明。
そんな折、防衛大学校は受験料・入学金・学費が全てタダだという情報を聞き、俄然やる気を見せる近藤。
入試の結果は、合格。
給料がもらえて勉強もできる防衛大学はパラダイスだと寮生活を満喫していた近藤だが、4月5日の入校式を終えた瞬間、ニコやかだった先輩たちの態度が一変する。
「さあ、お客様の時間は終わりだ」
その瞬間から地獄の軍隊生活が始まった。
[単行本] 1 – 34巻
(最新34巻は2024年10月18日発売)
感想
警察や自衛隊の学校は何となく厳しいイメージがあるけど、どういう風に厳しいのかは行った人にしか分からない。そんな謎に包まれた防衛大学の一端を垣間見れる作品。初めて見聞きすることが多く、授業料無料に釣られて行くところでは無いなと痛感させられた。
第8位「青のオーケストラ」
プロのヴァイオリニストを父に持ち、小さい頃はヴァイオリンに夢中だった青野一(あおのはじめ)
しかし父親の不倫が理由で両親は離婚。今は母親と暮らし、ヴァイオリンからも離れていた。
進路に悩む中3の秋、先生から初心者女子生徒にヴァイオリンを教えるよう頼まれ当時の気持ちが甦る。そして女子生徒と一緒にオーケストラ部のある海幕高校を志望。
無事志望校に合格した青野は、体育館での部活紹介で演奏するオーケストラ部力に魅了され、後日見学に訪れるのだが。
[単行本] 1 – 11巻
(最新11巻は2023年3月31日発売)
感想
オーケストラ部の雰囲気が楽しめるのと、ヴァイオリンを弾く描写が力強くて引き込まれるのが良い。ただ心理描写(特に迷いや葛藤)が多いのでせっかく青野のポテンシャルや父親の存在でグッときてもすぐ脇道にそれるのでコマを飛ばして先を読みたくなる。もっとポイントを絞ってメインストーリーを進めてくれればと個人的に思う。
第9位「I”S (アイズ)」
瀬戸一貴(せといちたか)16歳は平凡な男子高校生。
同じクラスに居て、最近グラビアデビューを果たした葦月伊織(よしづきいおり)に片思い中。
しかし恋心を知られまいとそっけない態度を取るが、誤解とすれ違いでその距離は離れる一方。
[単行本] 1 – 15巻 <完結>
(最新15巻は2000年7月9日発売)
(完全版は全12巻)
感想
高校生の恋愛漫画として真っ先に思い浮かんだのがこのアイズ。妄想とサービスシーンが多いのでお勧めしにくい面はあるが、絵の上手さと、これでもかと言うぐらい甘酸っぱい青春ストーリーが描かれた桂先生珠玉の一作。
第10位「市場クロガネは稼ぎたい」
市場(いちば)クロガネは市場財閥の御曹司。
身分・家財・その他全てが親に用意された物という境遇に満足できず、自分の力を試すため私立学円園学園(がくえんぞのがくえん)への入学を決意。
学円園学園は島が丸ごと学校施設になっており、総生徒数は30万人を超える。そして一番の特徴は「稼いだ金額が評価となる学校」ということだった。
人の才能を見抜く観察眼を武器に、御曹司の立場を捨てた市場クロガネがお金を稼ぐために奮闘する。
[単行本] 1 – 13巻 <完結>
(最新13巻は2016年11月23日発売)
感想
正直な話、画力は上で挙げた作品に遠く及ばない。ただ経済要素を取り入れた学園物というのは心惹かれるものがある。展開としては人の才能を見抜いて勧誘し、人材を求める人たちに紹介して報酬を得る「神の左眼」という派遣部を立ち上げる。
学生生活の追体験
昔は野球やサッカーなどの運動部系が花形漫画だったけど、近年では「ちはやふる」などの文化部系でも大ヒットが出ている。
自分が関わらなかった部活や、経験できなかった青春を追体験できるのは漫画の長所だ。