回線事業者とプロバイダー(接続業者)
近年、各家庭にインターネットが普及したが、回線事業者とプロバイダーについて説明できる人はそれほど多くない。
そこで一戸建ての人が「NTTフレッツ光+OCN」を申し込むケースを題材に、解説したいと思う。
今では日本中に張り巡らされているNTTのフレッツ光回線だが。
回線を保有し、企業や個人に提供することで利益をあげるNTTは「回線事業者」だ。
au等、他にも光回線を持つ「回線事業者」はいるが、NTTほど全国展開しておらず、提供エリアは限られている。
さて、NTTのフレッツ光に申し込むと「初期費用」「月額料金」の2つがかかる。
「初期費用」は工事費や事務手数料といった、初回にのみ払うものだ。
ここで言う工事とは、外の光回線と、室内に設置するNTTのレンタル機器を繋げる作業。
それとは別に「月額料金」もかかる。
地域や居住形態によって異なるが、一戸建てだと月額5000~6000円。
工事が済み、月額料金も払い「インターネット開通!」と喜ぶかも知れないが。
これだけではインターネットは使えない。
プロバイダー(接続業者)と契約していないからだ。
インターネットとは世界中を結ぶネットワークであり、NTTの持ち物ではない。
ただし、NTTの光回線上にはプロバイダーと呼ばれる会社がいくつかあって、インターネットに通じるドアを持っている。
このプロバイダーの1つと契約する事で、インターネットにアクセスできるのだ。
いわばNTTの光回線は下道(有料道路)、プロバイダーは高速道路の料金所だ。
令和4年現在だと、プロバイダー料金は月額1000円前後。
回線事業者(この場合はNTT)とプロバイダー(この場合はOCN)がいて、初めてインターネットを利用できるようになる。
IPv4の場合、NTTが初期工事で設置した機器にプロバイダー情報を登録する。
NTTの機器にログインする手順書とプロバイダー情報は、初回設定時やリセット時に必要なので大切に保管しておこう。
ここで費用の話に戻る。
普通だとNTTとプロバイダーにそれぞれ月額料金を払うのだが。
最近は回線とプロバイダーのセットプランも増えている。
有名なのはNTT系列の「OCN光」だが、他にも「auひかり」「eo光」など回線とプロバイダーの組み合わせは多種多用。
同じサービスを利用していても、別々に払うより数百~数千円安くなることもある。
上手く使えればお得だけど、NTTの代理店を名乗る怪しい業者も居たりするので、変な勧誘電話に騙されないよう注意。
身近なインターネットの仕組み
今回の記事では一戸建ての人が「NTTフレッツ光+OCN」を申し込むという例を書いた。
マンションとかケーブルTVとか、環境によって異なるのであくまで一例に過ぎないが。
今回の主題である “回線事業者” と “プロバイダー” の違いについて理解するきっかけになれば幸いだ。