【IT】Edgeの「音声読み上げ」でテキストファイルを朗読する

Edgeの音声読み上げ

Edgeの音声読み上げ機能

Windowsの標準ブラウザ「Microsoft Edge」には音声読み上げ機能がある。

ページ内の一部文章を読み上げる場合、範囲を選択して右クリックメニューの「選択部分を音声で読み上げる」を押せば良い。

吾輩は猫である。名前はまだない。

「選択部分を音声で読み上げる」を押す

実行するとEdge上部にメニューバーが現れて、音読が開始される。

ページ内の文字列を選択

ただし2022年10月10日現在、この文章を読ませても正しい朗読はできない。

浜田さんの「はまだ」のように「は」をそのまま「は」と読んでしまう。

ちなみに他の音声読み上げソフトでは正しく読めるので、Edgeがもう少し日本語を学習したら改善されるはずだ。

テキストファイルの朗読

Edgeの音声読み上げ機能は未完成だけど、使い道がない訳ではない。

例えばTextファイルの朗読とかだ。

まず事前準備としてEdgeのショートカットをデスクトップに作っておこう。

デスクトップにEdgeのショートカットを作成

次にメモ帳にテキストを入力し、デスクトップに保存する。

サンプルとして「マッチ売りの少女」の簡易版を用意してみた。

とても寒く、雪の降りしきる暗い夜道を、一人の少女が歩いています。
少女は靴も履かず、帽子もかぶらず、裸足のままです。
家を出る時は靴を履いていたのですが、彼女の家は貧しく、母親のおさがりの靴だったため、
迫りくる馬車を避けた拍子に、脱げてなくしたのです。
そんな裸足で歩く少女の手には、売り物のマッチの籠がありました。
しかし今日一日売り歩いても、誰一人マッチを買ってくれません。
おなかは減り、体は冷え、唇をかみながら必死に歩き続けます。
ふと顔を上げると、どの家にも明かりがともっています。
どこからか漂ってくるおいしそうな匂い。「今日は大晦日の夜だものね」と少女ははにかみました。
少女は体をまるめてうずくまりました。しかし寒さはちっともやわらぎません。
それでも少女は家へ帰ろうとは思いませんでした。マッチは1つも売れていないし、このまま帰っても父親に叱られます。
それに貧しい家なので、ただ屋根があるだけで、隙間風がひっきりなしに入ってきます。
少女の小さな手はもう限界でした。意を決して、売り物のマッチ箱を1つ取り出し、火をつけました。
「ああ、温かい、」
ほんのひと時の明るさとぬくもり。火が消えると、少女はまた新しいマッチを擦りました。
指先の火を壁にかざすと、壁はベールのように透き通って、少女に部屋の中を見せてくれました。
食卓にはおいしそうな肉料理。驚いたことに、料理は少女に吸い寄せられるように近づいてきます。
あと少しで手が届く。その矢先、マッチの火が消え、料理も消えてしまいました。

少女はもう一本のマッチに火をともしました。
今度はすぐそばに、大きなツリーが現れました。
とても大きく、綺麗な飾りが沢山付けられています。
しかしそのツリーも、マッチの火とともに消えてしまいました。
少女が暗い空を見上げると、流れ星が目に飛び込んできました。
「今、誰かが亡くなったんだ!」少女はかつて、祖母に聞いたのです。
星が流れた時、誰かがその生涯を終え、神様の元へいざなわれるのだと。

少女は急に寂しくなり、再びマッチを擦りました。
そこに現れたのは年を取った女性でした。「おばあちゃん?」それは今は亡き少女の祖母だったのです。
思わずその胸に飛び込みそうになりましたが、手元には儚く揺れる小さな炎。
「お願いだから消えないで!」
少女は祖母がいなくならないよう、残りのマッチを擦り続けました。
「私、おばあちゃんとずっと一緒に居たい!」
年老いた女性はにっこりと微笑み、少女を腕の中に抱きました。
「ああ、温かい、」少女にはもう寒さも、空腹も、恐れもなくなっていました。

翌朝。
まだ冷え込む街角に、硬直した少女の亡骸がありました。
そばには擦り焦げたマッチ棒が何十本も散乱しています。
「かわいそうに。」道行く人々は状況を察し、少女の死を悼みました。
少女は安らかな表情のまま、天に召されたのでした。

上記をコピーし、メモ帳に貼り付けてデスクトップに保存しよう。

メモ帳でテキストを保存

あとはEdgeで開くだけだ。

今作ったファイルを左クリックで掴んで、Edgeのショートカット上で離せば開く。

Edgeでテキストファイルを開く

開いたらアドレスバーにある「このページを音声で読み上げる」ボタンを押す。

<備考>
アドレスバーに上記ボタンが出ていない人は、文章の1文字目(ページ左上)にカーソルを置いて右クリックから「音声で読み上げる」を選んで実行

「このページを音声で読み上げる」ボタンを押す

これでTextファイルの最初から最後まで朗読してくれる。

音読スピードや音声(男性・女性)はオプションで変更可能。

「音声オプション」ボタンを押す

沢山あるが、日本語音声は下記6種類のみ。

  • Microsoft Ayumi – Japanese (Japan)
  • Microsoft Haruka – Japanese (Japan)
  • Microsoft Ichiro – Japanese (Japan)
  • Microsoft Sayaka – Japanese (Japan)
  • Microsoft Keita Online (Natural) – Japanese (Japan)
  • Microsoft Nanami Online (Natural) – Japanese (Japan)

上4つはオフラインでも再生できるけどカタコト。下2つはクラウド型でネットに繋がっていないと使えないけど非常に滑らかだ。

ちなみに今回の「マッチ売りの少女」だと一番下(Microsoft Nanami Online)が最適。

長い文章(スピーチ原稿や履歴書の志望動機など)を添削する際、文字とのにらめっこで頭が痛くなる事はあるだろう。

文章の添削は大変

そんな時、音声読み上げ機能があればテンポよく添削できるかも知れない。

Office 2019以降ならその機能はあるが、OfficeがなくてもEdgeさえあれば朗読可能だ。

音声読み上げとAIの可能性

Edgeに限らず、音声読み上げはまだ人間のようにはいかない。

しかしこれが完成すれば、AIと組み合わせて様々な事が可能になる。

例えばAIがユーザーの好みを学習し、その人に合わせたニュースを集めて朗読してくれる「自分ニュース」的なアプリも作れる。

AIがニュース記事の要約・音声化

何なら、条件を入力するとAIが物語を創作して朗読するといった事も可能。

AIが創作・音声化

おそらくゲーム制作でもこの技術は導入されるだろう。

例えば「かまいたちの夜」のようなゲームを、AIがCGもテキストも音声も即興で作ってしまうのだ。

よく「AIが発達すると失業者が増える」と言われるが、創作物を瞬時に何万通りも作れるとしたら誰も敵わない。

数年後には「芥川賞をAIが受賞!」「あの曲の作詞・作曲は実はAIだった!」なんてニュースが流れる可能性もゼロではない。

音声配信サービス「Audible」

音声読み上げとは少し違うが、昨今は音声配信コンテンツが充実している。

Amazonの「Audible」もその1つだ。

例えば宮沢賢治氏の「銀河鉄道の夜」なら石田彰さん・神谷浩史さん・緒方恵美さんといった有名声優の朗読で聴ける。


宮沢賢治名作選集③「銀河鉄道の夜」

あらゆる本が音声化されている訳ではないが「推理小説」「ライトノベル」「タレント本」などの有名タイトルは数多くある。

池井戸潤氏の「半沢直樹」や宮部みゆき氏の「模倣犯」などもあるし「オーバーロード」のようなライトノベルもある。

「転生したらスライムだった件」の小説版は、声優の岡咲美保さん(リムル役)が読んでくれる。


[1巻] 転生したらスライムだった件 1

通勤・通学時にスマホで小説を聴き流したり、子供の読書感想文の本を朗読で聴かせるといった使い方も考えられそうだ。

残念ながらギフト券では決済できないが、Amazonの買い物をクレジットカードでしている人なら2か月の無料体験が使える。

Audbleが便利だと感じたら、無料期間後も月額1500円で使い続けても良いだろう。