【漫画】2023年にコミック1巻が発売されたおすすめ作品

2023年漫画

2023年の新作漫画

今回は「2023年に1巻が発売された新作漫画」の中から厳選して紹介したいと思う。

なお、後宮モノは既に紹介済みなので除外する。

[1] ダイヤモンドの功罪
ダイヤモンドの功罪
集英社 Webサイトより画像引用

主人公・綾瀬川次郎(あやせがわじろう)はどんなスポーツをやらせてもすぐに一番になる天才小学5年生。

本人は皆で楽しみたいだけなのに、周囲の大人たちは彼の記録に狂喜乱舞し、同級生からは「もう辞めたい」「あいつとは一緒にできない」と妬まれる。テニス・体操・水泳とどの競技を始めても結果は同じだった。

失意の次郎が次に選んだのは野球だった。

弱小の少年野球チームに入れてもらい、当初は上手くいっていたが監督がその才能に惚れ込んでU-12日本代表選考に応募したあたりから雲行きが怪しくなっていく。

[1巻発売] 2023年6月19日
(最新7巻は2024年9月19日発売)

感想

主人公は見よう見まねで剛速球や変化球を投げられる正真正銘の天才投手。ただし性格は「おおきく振りかぶって」の三橋のような卑屈なもの。自分が強すぎて相手がつまらない想いをするぐらいならわざと打たれようと本気で考えるほど。その覇気の無さはチームメートとの軋轢を生むが圧倒的才能を前に皆口をつぐむしかないというギャップが面白い。

[2] ドラハチ
ドラハチ
講談社 Webサイトより画像引用

野球部の捕手・黒金八郎(くろがねはちろう)は弱小球団カーボンズからドラフト八位指名を受けた高校三年生。

八郎には幼馴染の鈴(すず)と結婚するという夢があった。

鈴は高校在学中にベンチャー企業を起ち上げた天才少女。結婚を申し込んだ八郎に鈴が突き付けた条件はプロ入りして(父が所属していた)カーボンズの優勝&シーズンMVPを獲得すること。

与えられた期間は入団1年目の1シーズンのみだったが、迷いは一切なかった。

かくして八郎のペナントレースが幕を開ける。

[1巻発売] 2023年6月15日
(最新5巻は2024年9月17日発売)

感想

主人公は表紙に写っている頭脳派メガネ君。対戦相手を分析するデータ野球から隠し玉のようなこずるい手まで何でもあり。シーズンMVP獲得に向けてクールかつクレバーに立ち振る舞う。昔ながらの熱血スポコンとは一線を画すストーリーで続きが気になる作品。

[3] バキ外伝 ガイアとシコルスキー ~ときどきノムラ 二人だけど三人暮らし~
バキ外伝 ガイアとシコルスキー
秋田書店 Webサイトより画像引用

漫画「バキ」のスピンオフ。

最凶死刑囚の1人として来日したシコルスキーだったが、バキに敗れジャック・ハンマーにも遠く及ばず、挙句の果てにジャックと交代した環境利用闘法の軍人ガイア(グラップラー刃牙からの再登場)にも恐怖を植え付けられて負ける始末。

敗北を喫しロシアの刑務所に戻されたシコルスキーだったが、リベンジマッチの権利を行使するべく再び脱獄。東京にいるガイアの住処を訪ねる。

しかし適当にあしらわれ、気が付けばガイア(とその元人格の気弱なノムラ)と共同生活を送ることになる。

[1巻発売] 2023年3月8日
(最新6巻は2024年11月8日発売)

感想

バキのスピンオフ漫画は沢山あるが(花山薫の喧嘩とか烈海王の異世界転生とか)個人的にはこの作品が一番面白い。原作の持ち味を損なわず日常コメディに落とし込んでいる。作画は板垣先生ではないけど雰囲気は刃牙そのものだ。

[4] デスクリエイト
デスクリエイト
講談社 Webサイトより画像引用

主人公は詐欺師の男性。

計画では巨大IT企業にエンジニアと偽って転職し、機密情報を盗み出すつもりだった。しかし突然意識を奪われ命がけの脱出ゲームを数人とやらされる。

その場はどうにか切り抜けるが、なんと転職先はデスゲームを作る会社だった。生き延びた4人はチームを組まされ、72時間以内にデスゲームの試作機を作るよう命令される。

ただ作るだけではない。他チームの企画とプレゼンで競い、負けた方は相手が考えたデスゲームの被験者になることが義務付けられていた。

[1巻発売] 2023年9月20日
(最新3巻は2024年8月20日発売)

感想

主人公は「今際の国のアリス」の良平みたいなIQの高いタイプ。デスゲームを題材にした漫画はさして珍しくないけど、絵がしっかりしているのとオカルト要素がないのでサクサク読める。今後「LIAR GAME」のような心理戦を展開してくれれば面白くなりそう。

[5] 世界を救った英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
世界を救った英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
小学館 Webサイトより画像引用

かつて魔剣王を倒し、百英雄と呼ばれる国王や賢者を育てた伝説の預言者アイゼン・オーティス。

異界で20年間療養していたが、戦いの傷もすっかり癒えたので弟子たちのいる人間界を漫遊することに。

お供を連れ、道中では困った人を予言魔法(万物の声を聞いたり力を借りたり)で助けて諸国をめぐる。

[1巻発売] 2023年1月12日
(最新2巻は2023年8月9日発売)

感想

物語としては前作「100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます」の続きだけどこちらから読み始めても十分楽しめる。柔和で万能なアイゼンと、彼を慕う弟子(世間では英雄)による水戸黄門的な展開がほっこりする。

[6] 聖女に嘘は通じない
聖女に嘘は通じない
講談社 Webサイトより画像引用

ミュスト王国では祝福(ギフト)と呼ばれる力を持つ女性が時折生まれてくる。

神官見習いの女性クロエは賭け事の強さから「豪運の聖女」などと噂されたが、本人にしてみれば記憶力と心理的な駆け引きに長けているだけなのだ。

それを承知で聖騎士のエラルドは、クロエを神子(聖女)選抜試験に推薦する。

神子候補として大教会に潜入し、二年前の神子候補殺害犯人を見つけてもらう為に。

[1巻発売] 2023年9月29日
(最新3巻は2024年8月16日発売)

感想

いじめられていた女性が実は聖女でしたというベタな内容ではなく「金田一少年の事件簿」のような犯人捜しをテーマにした作品。主人公クロエ、聖騎士エラルド、侍女イネスいずれも何かを隠してそうな雰囲気。2巻以降のクロエの立ち回りに期待したい。

[7] 実力主義に拾われた鑑定士 ~奴隷扱いだった母国を捨てて、敵国の英雄はじめました

平民の子として生まれたアルトは国のために奴隷のように働かされていた。彼には優れた鑑定魔法があったが、上級貴族にただただ酷使される日々。

そんなある日、アルトの能力を高く評価する敵国少佐が現れる。

「帝国に来ないか? 我々の国は実力主義。生まれや身分に関係なく実力があれば出世する」

誘いを受けて帝国に渡ったアルトは幹部候補生として入隊し、軍が保有する保護施設の子から一人選んで育成するという任を言い渡される。

[1巻発売] 2023年9月20日
(最新2巻は2024年6月17日発売)

感想

自国で評価されない才能が敵国でもてはやされる展開は今やテンプレの1つだけど、この作品は絵とコマ割りがすっきりしているので読みやすい。鑑定能力も色々応用が利きそう。生徒の女子率が高いのでラブコメに傾倒しそうな不安はあるが1巻時点では十分面白い。

[8] 義姉の代わりに、余命一年と言われる侯爵子息様と婚約することになりました
義姉の代わりに、余命一年と言われる侯爵子息様と婚約することになりました
講談社Webサイトより画像引用

伯爵家長男と平民女性の駆け落ちで生まれた娘・エディス。

親子3人は田舎町で小さな薬屋を営んでいたが、1年半前に両親が事故死してエディスは伯爵家に引き取られる。しかし平民の血を引き貴族教育すら受けていない彼女は義父(叔父)と義母(叔母)と義姉に毛嫌いされていた。

伯爵家は散財で借金を抱えていたが、侯爵家長男と義姉の縁談が浮上して帳消しのチャンス。しかし侯爵家長男が病弱と知り義姉は婚約の話をエディスに押し付ける。

エディスは病弱ながら心優しい侯爵家長男との婚約を受け入れ、家を出るのであった。

[1巻発売] 2023年11月30日
(最新3巻は2024年8月30日発売)

感想

貴族社会の「意地悪な姉」「嫉妬深い妹」設定はありきたりだけど、この作品は陰湿すぎずとてもバランスが良い。1巻の方向性でブレずに描き切れればアニメ化はもちろん演劇にしても賞賛される物語になりそう。白魔術の伏線は若干反則な気もするけど、これにより1年後の結末が読めなくなるのは良い工夫。

とまあ、今年1巻が発売された漫画としては上記8作品が特に優秀だったと思う。

ちなみに「ジョジョの奇妙な冒険 Part 9 ザ・ジョジョランズ」1巻も2023年8月に発売されているので気になる人はどうぞ。

その他のおすすめ作品

2023年発売ではないけど、今年読んで面白かった漫画を3つほど紹介。

まずは「リボーンの棋士」

奨励会三段の主人公26歳が年齢制限で退会し、その後数年間フリーターをするが将棋の面白さを思い出して再始動するストーリー。

全7巻で打ち切り気味に終わるけどこれはこれで良い。

「バンオウ」みたく吸血鬼が三百年将棋打って強くなりましたの方が若者ウケするんだろうけど、こういう渋い作品も悪くない。

それから「19番目のカルテ」

18の専門分野(眼科・皮膚科・整形外科・小児科……)に次いで19番目に作られた「総合診療科」に携わる医師の物語。

絵は野暮ったいし「フラジャイル」「ラジエーションハウス」「K2」等に比べれば目を引くような大事件も起こらない。

良い意味で平凡(日常的)な作品。

最後は「しょせん他人事ですから」

ブログを炎上させられた独身女性が無料相談会に行き、おちゃらけた性格の弁護士にどうにかして欲しいと依頼する話。

1巻(5話)丸ごと誹謗中傷の対応に費やされていて、被害者の苦悩や加害者への制裁が具体的で教材になりそうな漫画だ。

ちなみにこの漫画も「19番目のカルテ」と同じ人が作画している。

諸々合わせてとりあえず10作品ほど紹介してみた。

Amazonや楽天で取り扱っている電子書籍なら、漫画の冒頭数ページ(物によっては数話分)を無料視聴することができる。

気になった人はご一読あれ。