【IT】Wi-Fi電波は中継機を使うよりルーター2台の方が安定する理由

Wi-Fi電波延長

Wi-Fi電波の届く距離

今や、多くの家庭に設置されるようになったWi-Fiルーター。

電波範囲は屋内だと50~100mと言われている。

屋内のWi-Fi電波距離

ただしこれは体育館のような「障害物のない空間」での話。

家具や壁のある一般家庭では、10m離れただけで電波が途切れる事もある。

障害物があると距離は短くなる

ワンルームは別として、一戸建てや部屋数の多いマンションではWi-Fiの繋がりにくい部屋というのはあるだろう。

そんな時、対策としてよく挙げられるのがWi-Fi中継機だ。

確かに中継機を使えば電波範囲は広がるが、よく分からずに買うと失敗する事もあるので注意。

中継機のデメリット

Wi-Fi中継機は、読んで字のごとく「Wi-Fi電波を中継」する機械だ。

と言っても電波の強さはWi-Fiルーターと同程度なので、何倍も延長できる訳ではない。

中継機で電波範囲を拡大

「Wi-Fiルーターと同程度なら2倍になる」と思われそうだが、実際は1.5倍。

なぜなら中継機は、中継したい部屋とWi-Fiルーターの中間地点に置くからだ。

中継機は中間地点に置く

ここで1つ具体例を見てみよう。

例えばこんな間取りのマンションで、

マンションの間取り例

Wi-Fiルーターがリビングに設置してあり、対角線上の電波が弱いとする。

Wi-Fi電波エリア

この場合、中継機の設置場所として中間地点にある部屋が考えられる。

中間地点に中継機を設置

これにより対角線上の電波は強くなるが、アンテナが全部立つとは限らない。

壁や収納スペースが障害物になるからだ。

もちろん電波は届くが、感度100にはならず、70とか80がせいぜいだろう。

中継機からの距離

ついでに言うと、無線区間が2カ所あるので若干の遅延が発生する。

これはかなり極端な例だけど、中継機は万能ではないという事は理解しておこう。

Wi-Fiルーターをもう1台買うという選択肢

もし家屋内(廊下や天井の四隅)に線を敷けるなら、中継機ではなくもう一台Wi-Fiルーターを買う方がパフォーマンスは高い。

例えばこんな構成の場合。

一戸建てのネットワーク構成例

Wi-Fiルーターを新規購入して、既存のWi-Fiルーターと入れ替える。

ちなみにお勧めはバッファローのこの製品。

新しいWi-Fiルーターと置換

次に、電波状況が悪い部屋に旧Wi-Fiルーターを設置して、長いLANケーブルで接続する。

旧Wi-Fiルーターを再利用

中継機と違って、使いたい部屋(中間地点ではなく)に直接置けるのがポイントだ。

無線区間は1箇所だし短いので遅延もほぼ無い。

さらに、Wi-Fiルーターを買い替えたことで処理が高速になり、元エリアにある機器はネットが快適になる可能性がある。

2つの電波エリア

デメリットは言うまでもなく、物理的な配線が必要なことだ。

業者に頼めば壁の中を通して目立たず配線して貰えるが、おそらく数万円請求されるだろう。

そこさえ我慢できるなら、中継機を用いるよりも安定するのは間違いない。

どちらを選ぶかは環境次第

離れた部屋でたまにニュース記事を見る程度なら、中継機でも全然問題ない。

しかしスマホでYouTubeを見たり、オンラインゲームで常時接続するなら、できるだけ回線を安定させたいはずだ。

どちらを選ぶかは各々の環境次第。