【IT】他人にWi-Fiパスワードを教えてインターネットを使わせることで生じる情報開示請求のリスク

Wi-Fiパスワードと情報開示請求

インターネットとWi-Fi

近年、各家庭にインターネット環境がある。

10~20代の人なら生まれた瞬間からあったかも知れない。

各家庭にインターネット環境

インターネットが固定回線なら費用は月額料金が多い。

Wi-Fiルーターに何台接続しようが、何時間使おうが、大量のデータを送受信しようが追加料金は一切かからない。

料金を気にせず使い放題。

Wi-Fi通信は無料

情報開示請求のリスク

Wi-Fi接続のインターネットは実質無料で使えるにも拘わらず、来客にWi-Fiパスワードを教えたがらない人が一定数いる。

「どうせ無料なんだし教えてくれてもいいじゃん。ケチだな」と思うかも知れないが、教えたくない理由は金銭面ではない。

セキュリティリスクだ。

Wi-Fiを使わせたくない人

例えば自宅のインターネット環境が「光回線+プロバイダ」だったとしよう。

プロバイダというのはIPアドレス(インターネット空間で重複のないグローバルIPアドレス)を貸与してくれる接続業者。

OCNやBIGLOBE等が有名。

プロバイダと契約

IPアドレスはネットワーク上の識別番号。

電話網の電話番号みたいな役割。

自宅や企業内のローカルIPアドレスは自由に設定できる。社内電話の内線番号を何番に設定しようが外の電話網には影響しないのと同じ理屈。

IPアドレスで通信

さて、自宅から誹謗中傷があったとする。

SNSサイトには投稿日時・投稿者・投稿内容等しか表示されないが、サーバーにはIPアドレスも記録されている。

誹謗中傷投稿

誹謗中傷された人はまずSNS会社に情報開示請求。

初回登録時に「氏名」「住所」「電話番号」を入力させるSNSサイトなら話は早いが、そうでなければSNS会社も誰か分からない。

その場合IPアドレスを要求する。

SNS会社に情報開示請求

グローバルIPアドレスは全世界で重複がない為、ネットで検索すればどこのプロバイダ会社の管理アドレスかはすぐに分かる。

判明したプロバイダに情報開示請求。

プロバイダに情報開示請求

プロバイダは事実確認の後、会員に問い合わせる。

入会契約時に「氏名」「住所」「電話番号」等は提出してあるし、プロバイダが発行したメールアドレスもあるので連絡はつく。

なお、プロバイダ側からは「山田太郎に割り当てたIPアドレスから誹謗中傷が行われた」という事実までしか分からない。

犯人が山田太郎なのか別の誰かまでは不明。

自宅ネットワークの管理者

自宅ネットワークは山田太郎の管轄。

もし自分が犯人でないとしたら、なぜそのような誹謗中傷がこのIPアドレスから行われたかの説明責任が発生する。

「知りません」では済まされない。

プロバイダから契約者へ照会

利用者が自分と家族だけなら犯人捜しは難しくないし、仮に子供がやったのなら親が責任を取るのもやむを得ない。

しかし子供から友達に、友達からまた別の友達に「この家のWi-Fiパスワードはこれだよ」と広まっていたら収拾がつかない。

赤の他人の罪をかぶる羽目になる。

これがWi-Fiを教えたくない人の理由の1つだ。(他にも理由はあるがそれはまた別の機会に説明)

パスワードの伝達

モバイル回線の場合

自宅Wi-Fiではなく、スマホのモバイル回線(ドコモの4Gや5G等)からインターネットの誹謗中傷をしたらどうなるか?

この場合、SIMカード(電話やデータ通信に必要なICチップ)がセットされた端末に対してIPアドレスが貸与される。

モバイル回線

SIMカードは利用者が個別に契約するもの。

犯行に使われたIPアドレスが分かれば、そのIPアドレスを貸与したSIMカードの契約者を抽出することで個人が特定できる。

SIM契約

もし他人に端末を無断使用されたり、テザリングを許可して踏み台にされたとしても情報開示請求は自分に来る可能性が高い。

悪いのは他人でも管理責任は自分だからだ。

情報開示請求のハードル

2025年2月現在、誹謗中傷等で情報開示請求をされる可能性は極めて低い。

被害者が投稿サイトを見ていなかったり、仮に見たとしても気分を害するだけで行動までは起こさない人のほうが多い。

行動を起こさないケース

情報開示請求という制度があったとしても、素人が独自に手続き方法を調べて実践するのはなかなかハードルが高い。

弁護士に頼むのが一般的。

そうなると時間もお金もかかるのでどうしても二の足を踏む。

時間もお金もかかる

SNS会社やプロバイダが請求に応じない可能性もある。

何か月も待たされた挙句、ログが残っていないから無理と言われたら詰みだ。

情報開示請求に応じない可能性

どうにか情報開示請求が認められて加害者の「氏名」「住所」「電話番号」を入手できたとしても、まだそこはスタート地点。

警察や裁判所に訴えるのが本来の目的。

ここからさらに時間とお金がかかる。

相手を特定してようやく訴え開始

数か月と数十万円かけてようやく勝ち取った結果が慰謝料数万円では割に合わない。

泣き寝入りを選ぶ被害者がほとんどだが、これだけ社会問題になれば政府も厳罰化や手続きの簡略化に本腰を入れるだろう。

平成以前は当たり前だったハラスメントが令和では通用しなくなったように、

令和のハラスメントは許されない

SNSの誹謗中傷も「これぐらいでは捕まらない」「みんなやってる」と思い込んでいたら時代に取り残される可能性がある。

ネットの投稿は良くも悪くも残るもの。

現実以上に慎重に振舞おう。