家電量販店での出来事
2024年6月某日。
家電量販店を散策中、パソコンコーナーから女性客と店員の会話が聞こえてきた。
店員の説明はこうだ。
- ノートパソコンが処分特価でお買い得
- 国産メーカーでWindows 11搭載
- CPUはCore i5でメモリ16GB
- Office 2021が付いている
- Windows 10が来年秋にサポート終了
- まだ1年あるので世間は焦っていない
- しかし来年には買い替え需要が高まる
- 品薄と円安で価格が上がるかも
- 買うなら今
なかなか上手い説明だと思う。
女性客は「へー!」「そうなんですね!」と感心し、15.6型ノートパソコン(NEC LAVIE)を15万円で買っていた。
この店員の説明に嘘はなかったし、女性からの質問にスラスラ答えていたのでパソコンの知識も豊富にあるのだろう。
ただ1点、気になった。
Office 2021のサポート期限についてだ。
Office 2021のサポート期限
永続ライセンス(買い切り)のOffice製品は、サブスクのように月額や年額を払うことなくずっと使い続けられる。
ただしサポートは有限。
Windows 10のサポート期限が2025年10月というのは割と浸透しているけど、Officeのサポートについては無頓着な人が多い。
バージョン | メイン | 延長 | サポート期限 |
---|---|---|---|
Office 2007 | 5年 | 5年 | 2017年10月10日 |
Office 2010 | 5年 | 5年 | 2020年10月13日 |
Office 2013 | 5年 | 5年 | 2023年4月11日 |
Office 2016 | 5年 | 5年 | 2025年10月14日 |
Office 2019 | 5年 | 2年 | 2025年10月14日 |
Office 2021 | 5年 | なし | 2026年10月13日 |
OfficeもWindows同様、期限が過ぎると修正パッチが配信されなくなる。
何か問題が見つかっても修正されない。
例えば会社で請求書を発行する事になり、一から作るのは大変だからネットでテンプレートをダウンロードしたとする。
しかしそのサイトは悪意のある人が運営していて、さらにサポートが切れたOfficeでそのExcelファイルを開いてしまった場合。
情報漏洩や乗っ取り被害が発生する。
こんな分かりやすい事例は滅多に無いけど、簡単に言うとそういう話。
Office 2024の発売予定
2024年3月、Microsoftは個人向け「Office 2024」を2024年後半に発売すると発表した。
Microsoft公式ブログの2024年3月15日「Upcoming preview of Microsoft Office LTSC 2024」を日本語翻訳で見れば書いてある。
早くて9月、遅くとも12月には出るはずだ。
「Office 2024」のサポート期限は5年になるらしい。
バージョン | メイン | 延長 | サポート期限 |
---|---|---|---|
Office 2021 | 5年 | なし | 2026年10月13日 |
Office 2024 | 5年 | なし | 2029年9~12月 |
この頃にはWindows 12の情報も出るだろう。
よほど急ぎでパソコンを買い替えないといけない人は別として、もう少し待てる人はあと4か月ぐらいは我慢した方が良い。
今慌ててWindows 11とOffice 2021を買うのは色々損だ。
ちなみに「Microsoft 365」は年間更新で長期的には割高だけど、サポート期限がないので常に最新のWordやExcelが使える。
「Office 2021」は永続ライセンスと言いつつ、実質あと2年4か月でサポートが終了してしまう。
Windows 10パソコンの買い替えを検討している人はOfficeのバージョンにも注意しよう。
[追記] Office 2024が販売開始
「Office 2024」が2024年10月1日より販売開始となった。
Office 2021の時はPersonalエディションにPowerPointは含まれていなかったが、
Office 2024ではPowerPointが増えてOutlookが消えている。
2024年以降、Windows 11の標準メーラーが「Outlook for Windows」になったしそちらで十分な人はHomeエディションでも良い。
Homeの方がHome&Businessより約8000円安い。
とは言え「Outlook for Windows」と製品版Outlookは似て非なるもの。
将来的に広告が表示されたり、製品版Outlookでは使えていた機能が「Outlook for Windows」ではサポートされない可能性もある。
OutlookユーザーならHome&Businessを買うのが無難だろう。
逆に、パソコンのメールアプリなんて使わない(Gmail等のWebメールがあれば十分)という人はどちらでも良いと思う。