上遠野浩平(かどのこうへい)とは
上遠野先生は電撃文庫「ブギーポップは笑わない」の作家で、荒木先生から多大な影響を受けたことを公言している一人。
2011年にはジョジョのスピンオフ小説「恥知らずのパープルヘイズ」を手掛けた。
同作は5部でブチャラティ達と別れて二度と登場しなかったフーゴのその後を描いた、1冊完結のスピンオフ小説だ。
ナランチャの名シーン「トリッシュはオレなんだッ」をフーゴ視点で回想したり、新しいボスが登場するジョジョの公式後日譚。
漫画のような派手な戦闘は無いものの、上手く小説に落とし込んでいると思う。
ジョジョのスピンオフ漫画
漫画のスピンオフ作品だと「岸辺露伴は動かない」が有名だけど、今年から月刊ウルトラジャンプで新しい連載が始まった。
それが上遠野先生原作の「ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋」だ。
作画は「ノー・ガンズ・ライフ」のカラスマタスク先生が担当。
2022年1月開始で月イチペースなのでまだ数話だけど、ホル・ホースがボインゴの預言で杜王町に渡ったり、花京院の妹も登場。
3部や4部が好きな人には間違いなく刺さるであろうネタが盛りだくさん。
そんな「ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋」は公式サイトから無料で試し読みできるので、気になる人は要チェック。
2022年6月17日には第1巻も発売予定。
ジョジョ漫画のおさらい
ここで「ジョジョ」シリーズについて軽くおさらいしてみよう。
元々は「週刊少年ジャンプ」連載作品だったけど、2004年からは「月刊ウルトラジャンプ」に移動することになった。
2022年5月現在では第8部まで完結しており、第8部の最終話が載った号で次回作を示唆するコメントが出たが、その後動きはない。
一方、ジョジョのアニメは6部12話まで放送済みで、続きは2022年内の予定。
動画サブスクの対応状況は以下の通り。
そんなジョジョは、7部からパラレルワールドになっている。
詳細は伏せるが、6部終盤のある出来事で世界が再構築されたからだ。
そのため7部以降は「別の世界線」となり、見た目や名前はそっくりでも、6部までとは繋がっていない物語となっている。
正直、私は7部以降をリアルタイムで読んでおらず、数年経ってから一気読みしたが全盛期ほどの熱中度はなかった。
その点、上遠野先生の作品は6部までの世界線なので、違和感なくすっと読むことができた。
しばらくジョジョから離れている人にこそ読んで欲しい。きっと「ジョジョを読み返してみようかな」と思うはずだ。
漫画を楽しめた人は、小説「恥知らずのパープルヘイズ」も是非読んでもらいたい。
全3巻で完結
「ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋」は2023年6月19日発売の3巻で完結した。
読み終わった感想としては「掴みどころのない奇妙な展開だけど、キャラを立たせる上手さはまるで本家ジョジョだ」と思った。
主役はホル・ホース、準主役に仗助と花京院妹といったところか。
期待したよりも登場人物は少なかったが、新章ではなく既存キャラを掘り下げる為のスピンオフと考えれば悪くない。
時系列的には4部の少し手前で、DIOは死んでいるけど仗助はまだ承太郎に出会っていない(スタンドは使える)状態だった。