【漫画】戦国・歴史漫画の厳選10作品

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戦国・歴史漫画の1~10位

今回のお題は戦国・歴史漫画。

1位はお馴染みのあの作品だけど、2~9位までは人それぞれ違うと思う。

選考基準は私の好みであり、作品の優劣を示すものではありません。
第1位「キングダム」
キングダム
集英社 Webサイトより画像引用

紀元前245年の中国。

当時中国には七つの大国があった。秦(しん)魏(ぎ)趙(ちょう)楚(そ)燕(えん)斉(せい)韓(かん)

後に秦国が全土を統一し「秦の始皇帝」が誕生するのは周知の事実。しかしその道のりは並大抵のものではなかった。

本作では、下僕だった14歳の信(しん)と、窮地にあった14歳の秦王嬴政(えんせい)が出会い、助け合い、やがて秦国の武将と王として中華統一に挑む様子が描かれている。

[単行本] 1 – 73巻
(最新73巻は2024年9月19日発売)

感想

この漫画の凄いところは「A国とB国が戦争して、A国が勝った」という事実をただ伝えるのではなく、登場人物をクローズアップして極限まで面白くしていることだ。飛信隊や政は言うまでもなく、敵味方の将軍、向や陽など、魅力的なシーンが多く何十冊読んでも飽きない。

第2位「アサギロ~浅葱狼~」
アサギロ
小学館 Webサイトより画像引用

1854年、江戸で行われた奥州白河藩(現在の福島県)の御前試合で十二歳の少年が指南役を圧倒。天然理心流(てんねんりしんりゅう)の沖田惣次郎のちの沖田総司である。

自責の念から切腹を決意した指南役は、刀を譲るかわりに介錯を頼みたいと沖田に依頼。引き受ける沖田だったが当日腹をさばく前の首を切り落としてしまい罪人として投獄される。

道場の若先生・近藤の駆けつけもあり、死罪を免れて国払いになった沖田は脱藩浪人として剣と共に生きていく。

[単行本] 1 – 30巻
(最新30巻は2024年11月12日発売)

感想

浅葱(あさぎ)とは緑がかった青で新選組の羽織の色。最初は近藤と沖田だけだけど山南敬助や土方歳三らとも次々出会っていく。絵が上手く、ストーリーは堅すぎず崩しすぎず丁度良い仕上がり。一部腕を切り落とすような描写もあるのでそういうのが苦手な人は注意。話がとても丁寧に描かれており自然と次巻が読みたくなる傑作漫画。

第3位「転生!竹中半兵衛~マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く~」
転生!竹中半兵衛~マイナー武将に転生した仲間たちと戦国乱世を生き抜く~
双葉社 Webサイトより画像引用

1556年に斎藤道三を殺して美濃を治めたのは息子の斎藤義龍。その義龍が1561年に病死して跡を継いだのが息子の龍興。竹中半兵衛は龍興の家臣だったが、主人に愛想をつかして謀反し、やがて信長・秀吉に使えるが36歳で病死する。

そんな天才軍師・竹中半兵衛に35歳男性サラリーマンが転生する。なぜか目の前にはノートパソコンがあり、茶室と書かれたチャット画面が表示されていた。

現代からの転生者は自分だけではなかった。北条氏規や今川氏真など他にもマイナー武将に転生した現代人が7人も居た。彼らはチャットを通じて情報交換を行う。

今は1560年。桶狭間の戦いの3か月前。転生者たちは協定を結び、知恵を出し合い、マイナー武将という不利をはねのけて皆で戦国時代を乗り切ろうと誓うのであった。

[単行本] 1 – 7巻
(最新7巻は2023年11月15日発売)

感想

小学生の頃スーファミで「信長の野望・武将風雲録」を遊んだ世代としては、竹中半兵衛、北条氏規、最上義光など耳馴染みのある名前ばかり。絵も綺麗だし、転生要素(現代知識)や仲間との協力もあり楽しく読める戦国ifストーリー。

第4位「信長のシェフ」
信長のシェフ
芳文社 Webサイトより画像引用

1568年、京都。

そこに記憶の無い男が居た。自分が何者かは分からない。ただ自分がこの時代の人間でないことは理解している。ケンという名前、そして料理人だったことも覚えている。

あれから数か月。居候先の鍛冶屋で料理を作り続けているうちに料理達者と評判になり、意外な男を引き寄せた。

戦国の雄、織田信長。

信長に連れて行かれ、織田の料理頭と命懸けの料理勝負をさせられることになったケン。しかし臆することなく信長を唸らせる見事な料理を作り上げる。

[単行本] 1 – 37巻 <完結>
(最新37巻は2024年5月16日発売)

感想

織田信長を中心とした戦国時代のストーリーをなぞるのも面白いけど、兎にも角にもケンが格好良い。腕っぷしは全然だけど、料理の技術と達観した立ち振る舞いが素晴らしい。フィクションなのに史実と上手く融合させている傑作漫画。

第5位「センゴク」
センゴク
講談社 Webサイトより画像引用

18年間に渡り連載され、2022年に最終シリーズ「センゴク権兵衛」で完結した長編戦国漫画。

桶狭間の戦いから7年後。美濃の斎藤家家臣・仙石権兵衛秀久15歳は柴田勝家に捕らえられて織田信長の御前に引き出される。

捕虜が次々惨殺されていく中、信長に気に入られて配下に加わることになった仙石は木下籐吉郎に仕える。

生き別れになったお蝶と再会するため、そして天下獲りを公言する信長の力になるため仙石は戦国で奮闘する。

[単行本] 1 – 15巻 <続編あり>
([続編] センゴク天正記は15巻完結)
([続編] センゴク一統記は15巻完結)
([最終] センゴク権兵衛は27巻完結)

感想

シーズン1「センゴク」は絵の未熟さやバガボンドのような色恋が目立つが「センゴク天正記」からの展開は素晴らしい。一大傑作なんだけど正確性にこだわりすぎ(言葉遣いや呼び方・ト書きの多さ)で頭に入ってこないあたりがキングダムとの差かと。教科書では「桶狭間の戦い → 本能寺の変 → 関ヶ原の戦い」と飛ばされる歴史の合間が垣間見れる作品。

第6位「斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!」
斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!
秋田書店 Webサイトより画像引用

37歳男性医師が戦国時代に転生。

美濃のマムシと恐れられ、後に織田信長に娘を嫁がせた斎藤道三の息子「斎藤義龍(よしたつ)」に転生。ただし転生直後はまだ6歳の「豊太丸(とよたまる)」

史実では父・道三を殺し、織田信長と敵対しながら若干33歳でハンセン病で病死を迎える。

しかし織田信長となんて戦いたくないし早死にも嫌だ。幸いにも自分には医学知識と歴史知識がある。これらを駆使して病死を回避しつつ、美濃は織田信長に譲ってしまおう。

目標は長生きだ。

[単行本] 1 – 7巻
(最新7巻は2024年10月8日発売)

感想

史実では桶狭間の戦い(1561年)の前年に病死する義龍。同作では1534年とかそこら辺の出来事が描かれている。道三はまだ斎藤姓ではないし、後に信長に嫁ぐ帰蝶(濃姫)も誕生したばかり。信長以後を描く漫画は多いけど、信長以前の話は少ないので結構新鮮に読める。

第7位「横山光輝三国志」
横山光輝三国志
潮出版社 Webサイトより画像引用

横山光輝先生の視点で描く、大長編三国志。

田舎で母と二人で暮らしていた劉備は、ある日自分が漢の皇族の血を引いていると告げられる。

劉備は関羽・張飛という豪傑と出会い、義兄弟の契りを交わし、三人で乱れた世を正すことを誓う。

一方、劉備より6歳年上の曹操・孫堅もそれぞれ頭角を現し、黄巾の乱の鎮圧などで武功を挙げていった。

やがて魏の曹操、呉の孫堅、蜀の劉備として、天下を三分して覇権争いを繰り広げるようになる。

[単行本] 1 – 60巻 <完結>
(最新60巻は1988年10月20日発売)
(文庫版は全30巻)

感想

「横山光輝三国志」は高校生の時に図書室で読んだけどその時はいまいちだった。それが大人になって文庫本で読んで評価は一変。孔明が呉に渡るところや、司馬懿仲達が孔明を褒めるところ、華佗に腕を治療される関羽など、何気ないシーンがめちゃくちゃ痺れる。

第8位「風の槍」
風の槍
小学館 Webサイトより画像引用

織田信長を中心とした日本の戦国時代を、後に豪傑と呼ばれた男の視点で描く。

主人公の幼名は鍋之助。

物心つく前に父親を亡くし、わずか2歳で本多宗家の当主となった鍋之助。6歳からは槍を学び始める。

12歳で元服し、名を「本多平八郎忠勝」と改める。

[単行本] 1 – 6巻
(最新6巻は2024年11月19日発売)

感想

徳川四天王にして戦国最強と讃えられる本多忠勝の幼少期からを描いた作品。特筆すべきは何と言っても絵の秀逸さ。すっきりしたコマ割りなのに力強さや躍動感が素晴らしい。まだ始まったばかりなので長期連載になるかは分からないけどクオリティの高さは折り紙付き。

第9位「JIN -仁-」
JIN -仁-
集英社 Webサイトより画像引用

現代日本。大学病院で救急医療に携わっていた脳外科医の南方仁(みなかたじん)34歳男性。

勤務中に階段から転落し、幕末(1862年。第14代徳川家茂の時代)にタイムスリップした。

医学知識も、医療器具も、衛生環境も、現代のように整っていない時代。それでも南方は傷を負った侍を手当てし、モチを喉に詰まらせた子供を助けるなど医師の務めを果たす。

やがて幕末の蘭方医、漢方医、坂本龍馬や勝海舟なども巻き込み、南方が幕末に新しい医学を広めていく。

[単行本] 1 – 20巻 <完結>
(最新20巻は2011年2月4日発売)
(文庫版は全13巻)

感想

「信長のシェフ」もそうだけど芸は身を助けるを地で行く漫画。現代では常識的なことでも幕末の人たちが恐れおののくリアクションを見て、この150年ぐらいで医学や医療機器は格段に進歩したんだなぁと改めて歴史を感じさせられる作品。

第10位「バガボンド」
バガボンド
講談社 Webサイトより画像引用

吉川英治氏の小説「宮本武蔵」をスラムダンクの井上雄彦先生が漫画化。

出世のために関ケ原の戦いに参加した武蔵(たけぞう)と又八(またはち)だったが、結果は惨敗。残党狩りから逃れてどうにか落ち延びることができた。

道中又八とはぐれた武蔵は一人で宮本村に戻る。長居をするつもりはない。又八が生存していることを彼の母親と許嫁に伝えられれたらすぐに村を出るつもりだ。

剣の腕を磨きたい。天下に名だたる剣の達人に挑みたい。自分の力を試したい。

強さを求めて旅を続ける武蔵。誰かを斬り、己と向き合い、やがて剣の境地がぼんやりと見え始める。

[単行本] 1 – 37巻
(最新37巻は2014年7月23日発売)

感想

もうすぐ巌流島というところで休載したのが2015年。それから全く連載なし。再開するかどうかは井上先生のモチベーション次第。未完のままなので名作になり損ねたけど、漫画で読める宮本武蔵の話としてはかなり面白いと思う。

戦国はロマンがあるけど、恐ろしい

戦国漫画では万単位の人が死ぬ。「横山光輝三国志」なんて一般兵士が何十万人死んだことか。

火計で兵士が大量に焼かれるシーンを目の当たりにすると「この時代に生まれなくて良かったなぁ」としみじみ思う。

残酷さもある戦国漫画だけど、読者を熱狂させる「キングダム」のような名作がこれからも誕生することを願うばかりだ。