急増するAIの話題
今年に入ってAIのニュースをよく目にする。
ワイドショーでは「自我を持ったAIは人類を滅ぼす」「AIに質問したらこんな珍回答をされました」とネタ扱いのことが多いが。
真面目な話、AIは様々な分野に変革をもたらすと思う。
AIで変わりそうな仕事
AIと言っても多種多様だが、ここでは今流行りの「人間のような受け答え」「写真やイラストの作成」を軸に考えてみる。
(1)デザイナー
AIにリクエストするだけで「年賀状のデザイン」「オリンピックのロゴ」「雑誌の表紙」など何でも作れるようになりつつある。
とは言え機械が苦手な人もいるし、万人がAIを使いこなせる訳ではない。
そのためデザイナーの存在意義はなくならないが、AIにキーワードを入れるだけ作れるレベルの作品は淘汰されていくだろう。
AIの進化はイラストレーターの脅威になるものの、作業時間を短縮したり、自分の作風を学習させて自動化するといった利点もある。
(2)写真モデル
既にAIによって「架空の人物写真」を作るサービスは稼働している。
この精度が向上して思い通りの写真が作れるようになれば、企業ホームページやパンフレットは「肖像権のない架空モデル」が増えるだろう。
実在の社員だと「顔出しはちょっと…」と拒否されたり、プロモデルでもスキャンダルでお蔵入りになるリスクは否めない。
ただAIが作れるのはあくまで画像データであって、ファッションショーに出演したり、撮影会を開くことはできない。
なので写真撮影の仕事は減少するが、モデルの需要自体はなくならないと思う。
(3)コールセンター
例えば美容院の予約、チケットの予約、病院の診察予約をするための電話受付など。
音声認識はSiriやアレクサで高いレベルにあることが証明されているので、あとはAIと予約システムを連動させてやれば良い。
「それならネット予約にすれば良いのでは?」と言われそうだが、役所や病院では高齢者からの電話問い合わせがまだまだ多い。
まずはルーティーン業務をAI化してそれ以外の仕事にあてる時間を増やし、学習が進めばさらにAIの担当分野を増やすことになる。
受付などのパート業務は徐々にAIに置き換わっていくかも知れない。
(4)漫画家
写真を加工したり、落書きをイラスト化するアプリは既にあるが。
その応用で漫画の「ラフ画」「ネーム」から完成原稿を作成するAIが登場すると思う。
これなら絵が苦手でも漫画が作れるし、週刊連載をしている漫画家のハードワークも緩和されるのではないだろうか。
ゆくゆくはアニメーターの作画などもAI化できるかも知れない。
人件費が安い海外にアニメーション制作を外注するだけでは廃れるので、今あるノウハウをAIに学習させて資産化する方が健全だ。
(5)ゲームクリエイター
3Dゲームが主流の昨今、開発にかかる時間の長期化が深刻になっている。
2020年発売の「FF7 リメイク」は発表から5年かかったのに、蓋を開けてみれば原作の3割未満しか収録されていない分割作品だったのは有名な話。
おそらく3Dモデリングやプログラミング・デバッグなどが要因だろうから、この部分にAIを導入できれば作業を大幅に短縮できる。
何ならAIに「ライブアライブ」のようなHD-2D技法を学習させて、SFC版のデータを与えたら自動的にリメイクする仕組みがあっても良いと思う。
リメイク部分はAIに任せて、クリエイターは追加要素や手直しに専念できれば、予算を抑えて短期間で発売できるはずだ。
AIはビジネスチャンス
上では5つしか挙げていないが「学習塾」「ニュースキャスター」「Webライター」などAIが影響しそうな仕事は数えきれない。
もっと専門的なところだと医師の診断補助とか、弁護士の違法判断とか、もちろんマーケティング分析にも利用されるだろう。
さらに言えば「この応募小説は盗作ではないか?」「このデザインの類似品はないか?」のWeb巡回もAIに任せられる。
日本の大企業はなぜか「テレビが人間の好みを学習して、おすすめ番組を提案するAI機能」とかそんな発想に固執しがちだ。
しかしAIには大きな可能性がある。
技術大国と言われながらOSや検索エンジンは海外製なので、AIの分野では「やはり日本は凄い」と思わせて欲しいものだ。