【IT】USBメモリは廃棄前にデータを完全消去しよう

USBメモリのデータ消去トップ画像

USBメモリ内のファイルは「移動」や「削除」では消えない

USBメモリは安価でシンプルなデータの持ち運び手段だ。

仕事やプライベートでUSBメモリを使っている人は珍しくない。前の職場でもやり残しの仕事を家で完成させている人は何人もいた。

USBメモリを仕事で使う例

USBメモリは新しい物を買ったら、古い物は捨てるか友人にあげるかだと思う。

もちろんその時はUSBメモリの中身は削除しているだろう。

しかしその削除、本当に削除になっていますか? というのが今回のお題。

ここで1つの例を見て欲しい。

USBメモリ内のファイル状態01
USBメモリ内のファイル状態02
USBメモリ内のファイル状態03

このように、USBメモリに移動した秘密ファイルを再度パソコンに移動した場合、エクスプローラ上ではUSBメモリの中身は空っぽだ。

しかし見えないだけでファイルは存在する。

USBメモリ内のファイル状態04

これはUSBメモリに限らず、SDカードやハードディスクでも同じ現象が起こる。

冷静に考えてみよう。仮に100GBの巨大ファイルをディスクに書き込もうと思ったら数十分はかかる。

パソコンで大きなファイルを書き込むのは時間がかかる

しかし100GBのファイルの削除は一瞬で終わる。なぜか?

答えは削除の意味合いが人間とパソコンでは違うからだ。

パソコンのファイル削除(人間のイメージ)
パソコンのファイル削除(実際の処理)

人間の削除はまっさらな状態にするイメージだが、パソコンの削除はこのように貼り紙をしてデータを分別しただけ。

パソコンは貼り紙のあるファイルは無いものとして扱う。

だからエクスプローラ上には表示されない。貼り紙を貼るだけならそのデータがどんなに大きかろうが一瞬で終わる。

一見合理的な考えだが、この領域が別のデータで上書きされるまではずっと消えない。

エクスプローラでは見えなくてもファイル復元ソフトを使えば簡単に抽出できるし、そのファイル復元ソフトも無料で手に入る。

もし機密データをコピーしたことがあるUSBメモリを廃棄する時は、この事を念頭に置いて漏洩に注意して欲しい。

外装が薄いタイプのUSBメモリなら、ペンチで強引にこじ開け、中にある基盤とチップをねじり切ってしまえば復元はまず不可能だ。

お金をかけずにデータを完全消去する方法

廃棄するなら物理的に砕けば良いが、誰かにあげる場合はその方法は取れない。

しかし幸いなことにWindows 10には完全消去の為のコマンドが用意されている。

ただ、コマンドプロンプト自体よく分からないという人は、パソコンに詳しい人に実行してもらうことをお勧めする。

使用するコマンドは「cipher(サイファー)」だ。

cipher /w:〇:
(〇は削除対象のドライブ名)

上記は指定ドライブの全領域を「0」で埋め尽くし、次に「1」で埋め尽くし、最後にランダムな数字で埋め尽くす。

ここまでやれば復元ソフトでも抽出できない。

一応使い方を載せておくが、使う時はくれぐれもドライブ名を間違えないように。

※ cipher実行前に右クリックからの「削除」でも「クイックフォーマット」でも良いので、USBの中身は空にしておくこと。

cipherコマンド実行手順01
cipherコマンド実行手順02
cipherコマンド実行手順03
cipherコマンド実行手順04
cipherコマンド実行手順05
cipherコマンド実行手順06

私の環境だと16GBのUSBメモリなら10分で終わったが、容量が増えるともっとかかるかも知れない。

参考までに1TBのUSBハードディスクで実行した時は合計10時間が必要だった。

大容量のディスクは長時間放置できる時に実行しよう。